
日本代表の名波浩コーチ(52)が13日、千葉市内で取材に応じ、これまでの活動を振り返りつつ、今後の展望を語った。
23年1月の森保ジャパン入閣後、代表コーチとして初めて取材に応じた名波氏は、この2年半での印象深いできごとを問われ「僕自身がポンコツなのが、一番印象に残っています」と答えた。
攻撃面の戦術担当として、得点が奪えない試合などは責任を痛感しているという。「監督に任されている仕事を全うしているかどうかという意味でのポンコツっていう表現をさせてもらいました」とその意図を説明した。
森保一監督(56)の第2次政権で、破壊力抜群のチームを作りあげた。昨年1~2月のアジア杯カタール大会こそ8強で敗退したが、26年のワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選は史上最速で予選突破を成し遂げ、攻撃陣は、10試合で30得点。引いて守り固めるアジアを圧倒した。その成長ぶりをこう分析する。
「一番は選手個々が今ある自クラブで出続けたり、試合の中で結果を出したりとか成功体験が増えてきたり、タイトルを取った選手も何人も出てきたり、そんな中でシーズンのはざま、もしくはシーズンの終了後に個人昇格をできたりという選手が複数人出てきているのはチームとしてのモチベーションを高いところで維持できている大きな要因だと思います」
ここからはより世界を意識した戦いが始まる。自身は日本が初出場した98年W杯フランス大会のピッチに立った。「代表OBとして代表チームに携わるっていうのは、何よりもかえがたい名誉だと思う」という。その上で「やらなきゃいけないことはたくさんある」と1年後の頂点を見据える。まず願うのは、選手たちが新シーズン、クラブで試合に出続け、良い状態で大会を迎えること。その上でコーチとして何ができるか。
「本当に微力かもしれないけど、チームにとって、正しい、正しくないではないけど、間違ってないであろうと自信をつけさせるような方向性に導ければいいなと思いますし。最大限ボス(森保監督)をサポートすることが、自分の限りなく大きな使命だと思うので、ボスが気持ちよくサッカーと代表チームと、向き合えるように今後も後方支援したいなと思います」
9月には米国遠征でメキシコ代表(6日)、米国代表(9日)と対戦する。
「この2カ国とやれるのはここ1年以上、やっぱりアジアしかやってない中で、ものすごい財産になると思うので。1つは自分たちの現状、物差しっていうのが分かるだろうし。開催地もしくは開催エリアでやれるっていう、そういうものも感じながら、できるんで、ネガティブ要素はない」
来年7月19日のW杯決勝でタイトルをつかみ取るために、全力を尽くす。