
J1で18位タイと低迷する横浜F・マリノスは19日、スティーブ・ホーランド監督(54)の電撃解任から一夜明け、横須賀市のクラブハウスでの会見に臨んだ西野努スポーティングダイレクター(SD)は「プロジェクトの失敗」と認めた。
「監督を選任する責任者、スポーティングダイレクターとして、今年の最初のプロジェクトの1つの失敗ということを認めざるを得ない状況ですし、この失敗をどういかにつなげていくかが大事だと思っています」
9日の川崎フロンターレ戦は勝利目前のラストプレーで同点とされた。その翌10日にメディア対応した際には、ホーランド監督の解任を考えていないのか?と問われると「考えていない。今はまだその時期ではない」と回答していた。その中で唯一「監督の言葉が選手に響かなくなったら」と解任の条件を示唆していた。あれからわずか1週間ほどでの翻意となった。6試合勝ち星なし。加えてアンデルソンロペスがホーランド監督に反発し、練習を切り上げて帰ったという情報も流れており、チームの一体感は完全に損なわれていた。
「いくつかある理由の中で、もちろん勝ち点が重ねられなかったことは大きな要因だと思っています。新しい監督が来て、新しい国とJリーグで異文化の背景を持つ選手たちを一つにまとめていくというのは、ある程度時間がかかることだとは想定しておりましたが、このクラブはそうたくさんの時間が与えられるクラブではないといことも理解しながら、その時間を稼ぐためにはやはり目の前の勝ち点も必ず必要であって、その勝ち点を拾いながら、そしてチームを成熟させながらというふうにアイデアではおりました。勝ち点だけではありませんが、チームが志向するアタッキングフットボールの方向に成長していっているという実感が持てているかどうか。そういった部分も非常に大事だというふうに思っています」
今回の解任の理由をそう回答した。
その上で繰り返すかのように「この課題を次にどうつなげていくか、どうスポーティングダイレクターとして、チームとして、クラブとして成長する糧にできるかということが一番大事だと思っています。チームにはその旨を伝えています」と語った。
また、16日の清水戦後にホーランド監督を解任するに至ったプロセスの説明を求められると「社内の意思決定プロセスなので、開示するものではないと思っています。ただ最終的には私の意思決定、そしてそれを中山社長とともに決めるというプロセスを踏んでいるのは間違いないです」と話すにとどめた。
○…後任監督は誰に? 横浜は昨季も7月にキューウェル監督が解任され、ヘッドコーチだったハッチンソン氏が昇格する形でシーズン終了まで監督業に従事した。会見でこの点について問われた西野SDは「今言えることは昨日、今日、明日(浦和戦)についてはキスノーボ・ヘッドコーチに暫定的に指揮を執っていただきます。その後のことは今まだお話できる状況ではありません」。ACLEは誰が指揮を執るのか注目されるところだが、大会への登録は終了しており、外部から新監督を招くことは不可能な状況となっている。