
<オリックス4-7日本ハム>◇19日◇京セラドーム大阪
今季初安打を本塁打で飾った。日本ハム水谷瞬外野手(24)が、3点リードの8回2死一塁で、貴重なダメ押し1号2ランを放った。
左脇腹の違和感で開幕2軍スタート。18日に1軍昇格し8打席凡退だったが、9打席目にして“開幕”の一打を放った。チームは連敗を2で止め、18試合で2ケタ10勝に到達。首位オリックスとのゲーム差を2に縮めた。
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やっと出た。水谷は、万波の3ランで3点リードとなった直後の8回2死一塁、代わったばかりのオリックス阿部の初球ストレートを左翼席に運んだ。「マンチュウ(万波)が打って、3点入って勝ち越して、気持ちが少し楽になりました」。万波弾とほぼ同じ方向への1号2ランで、勝利を決定づけた。
左脇腹の違和感で開幕は出遅れた。2軍調整中には新庄監督からDMで「1本ホームランを打て」と司令が出ていたが、矢沢の負傷で不発のまま1軍昇格。前打席まで8打数無安打に倒れていた。「自分の問題だと思うんですけど力みとか、そういうところがあって」。苦しい中での1号2ラン。「結果としてホームランという最高の形にはなったと思いますけど、そこ以上に1本(安打が)出たっていうのは、ちょっとほっとしてます」と安堵(あんど)した。
昨季は1軍デビューから交流戦MVP、そして球宴出場と一気にブレークしたシンデレラボーイ。だからこそ、あえて2軍調整中は、自らに厳しくムチを振るった。「少し1軍で結果を出した選手に対しての見られ方ってありますけど、それが心地よくなっちゃダメ。今日よりも明日、明日よりも明後日という気持ちで」。2軍の佐藤打撃コーチと膝をつき合わせ、謙虚な気持ちでさらなる技術向上を目指してきた。
勝負は始まったばかり。「こういうインパクトあるスタートを切れたっていうのは自分の中でも良かったと思いますし、かといってそれを頭に思い描きすぎたら良くない。今日は今日で良かったとして、明日以降、またぐしゃぐしゃなヒットでもヒットはヒット。毎打席リセットできるように」。泥くさく結果を重ね、チームに勢いを呼び込んでいく。【永野高輔】