
<阪神2-5広島>◇18日◇甲子園
歓声がため息に変わった。阪神が勝てば単独首位浮上というゲームで逆転負けを食らった。今季開幕から3戦3勝の阪神村上頌樹投手(26)が今季最短4回、自己ワーストタイの5失点で降板というまさかの展開。2点リードの2回に5本の長短打を浴びるなど5点を奪われて逆転を許した。チームは連勝ストップで貯金1。今季ホームでは1勝止まりと苦しい戦いが続く。
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誤算から始まった。初の開幕投手を務め無傷の3戦3勝右腕が広島打線に捕まった。1回裏に2点先制の援護射撃を受けた直後の2回だ。先頭の野間に右前打で出塁を許すと、ファビアンも中前打で無死一、二塁。続く菊池に左中間への同点適時二塁打。11球で同点に追い付かれたが、止まらない。
1死二、三塁で迎えた二俣には8球ファウルで粘られて14球を投じて四球。矢野の犠飛でさらに1点を失い、末包の2点二塁打で一挙に5点を失い、2回だけで54球を費やした。
降板した村上はスコアボードの5点を見つめた。「点を取ってもらった後の回だったんで、リズムよくいければ勝てたと思います。ああいうイニング作っちゃったんで、負けてしまったかなと思います。踏ん張りきれなかった。空振りを取れれば一番良かったけど、バットに当たる球を投げてたので、力不足かな」。今季最短4回、自己ワーストタイの5失点。球団では72年ぶりとなる開幕4戦4勝のタイ記録も流れた。
藤川監督は「本人は分かっていると思いますので、あのイニング(2回)は相手にうまくやられたというか、自分でも考えるところはあると思いますけど、糧にして次のゲームまた行くしかないですね」とエースとして期待する右腕をかばった。広島打線による3・28開幕戦での4安打0封負けのリベンジ。「対策はできると思います」と指揮官はエースの意地に期待を寄せた。
打線も初回の2点先制以外は広島先発森下に抑えられた。2番遊撃に小幡を初起用し、中野を8番に下げたが、2回以降は佐藤輝の1安打のみとカンフル剤は不発。今季2度目の3連勝、今月7日以来の単独首位も霧散した。ホームでは1勝止まり。ファンに白星を届けたいかと問われた指揮官は「当然ですね」とひと言。今日19日のリベンジだけを見据えた。【伊東大介】
▽阪神安藤投手チーフコーチ(先発村上が4回5失点の乱調)「本来の投球内容ではなかったですね」