
「リアは何しに日本へ?」。サッカー女子日本代表なでしこジャパンで初の外国人コーチに就任したリア・ブレイニー氏(38)が18日、千葉市内で取材に応じた。
オーストラリア出身で母国の女子世代別代表監督やフル代表コーチなど歴任したが、アジアのライバルへ移った。「野望を持ったチームと一緒に戦えるということで、非常に興奮もしましたし、自分にとってもいい機会になる」。ニールセン新監督のもと、世界一奪還を目指すなでしこのプロジェクトに共鳴し、母国でのキャリアを捨てて、新たな環境に飛び込んだ。即決だった。12月後半にオファーを受けたといい「非常にいいクリスマスを過ごした」と笑った。
自身は6歳頃からサッカーをはじめ、16歳の時に史上最年少で代表に選出された。米国やスウェーデンでプレーし、22歳で現役を引退。指導者の道に進んだ。日本のコーチになったのは女子サッカー界への恩返しの意味も含まれている。「女性のコーチがまだなかなか少ない。できるだけ女性のコーチたちのロールモデルになれるようにというのがある。より世界的にも女性のコーチを増やしていきたい」と使命感を持って取り組む。
日本とは現役時代、U-20(20歳以下)オーストラリア監督時代に対戦経験がある。
「非常に日本の選手は技術力にたけているなと思います。規律も守れる。そういうところが素晴らしい。素晴らしいトレーニングの習慣があり、ゲームプランに沿ってプレー出来る、サッカーIQ、サッカーに関して非常に賢いと感じています」
もともと日本女子サッカーに対して好印象を持っていた。「強いてあげるなら」と断りを入れ「より勇敢にどうやって前を向いてインパクトだったり、ゲームに対して影響を与えるプレーを残していくかを今後みていく必要があるのかなと思います」と進化の余地について言及した。
日本がFIFA女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で優勝してから14年。ロンドンオリンピック(五輪)で銀メダルを獲得してから13年が経過した。昨夏のパリ五輪、一昨年の女子W杯ニュージーランド、オーストラリア大会など、近年の国際主要大会では8強の壁に阻まれている。もう1度最高の景色を見るためにやってきた。「常に貪欲にやっていく必要がある。最高の自分自身になれれば、選手としてもスタッフとしても最高のなでしこになると思う」。日本のために全力を尽くす。【佐藤成】