
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)16日(日本時間17日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、26年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場へ改めて意欲を示した。米国代表の主将にヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(32)、プエルトリコ代表の主将はメッツのフランシスコ・リンドア内野手(31)が務めることが、次々と公表された。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)は自軍選手の出場意欲を後押しする考えを示し、連覇を目指す侍ジャパンのキーマン大谷に期待が高まる。
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本大会まで11カ月。まだまだ先だが、WBC熱が高まってきている。メジャーを代表するスター選手らが国を背負い、主将就任や参戦を表明する中で、大谷は冷静に心境を語った。
「これまでも素晴らしい選手がたくさん出てますし、アメリカ代表だけじゃなくて他の国も、もちろん素晴らしい選手たちがたくさん出ているので。その中でプレ-できるのは、僕自身にとっては特別な瞬間でしたし、子どもの頃から見ている中で、1つ目標にしている場所ではあった」
23年3月、前回大会では二刀流でフル回転。侍ジャパンを世界一に導いた。「本当にプレ-できて良かったなっていうのが、前回大会の感想かなと思います」。米国代表との決勝戦では9回2死からエンゼルス時代の元同僚、マイク・トラウトを空振り三振に仕留め、胴上げ投手となった。ビッグネームがそろい、各国のスター選手が真剣勝負を繰り広げる戦い。その貴重さと、シーズン中とはひと味違った国際大会ならではの空気感を、大谷は身に染みて感じたに違いない。
一方で、謙虚な姿勢は変わらない。「選んで頂けるなら光栄なことですし、まずは、そこまでの成績というか立場を含めて、しっかりと今年1年、示していかないといけない」と気を引き締めた。昨年オフには左肩を手術。今季はド軍でワールドシリーズ連覇を目指しながら二刀流復帰へ向け、2度手術した右肘のリハビリを続けている。大谷の言葉通り、万全の状態を整えることが最優先となる。
チームとしての後押しはある。ロバーツ監督は、大谷やベッツら自軍選手が出場意欲を示していることに「おそらく一番多く代表選手を出すチームになるだろうね。先発投手は少し慎重にならないといけないが、選手が出たいなら、もちろんサポートする」との見解を示した。WBCだけでなく、28年のロサンゼルス五輪ではドジャースタジアムが野球の会場となる。メジャー各球団の主力選手の派遣を可能とするかどうかはMLB側が検討中だが、野球の国際大会への注目度は確実に増している。いずれにしても世界的なビッグイベントに、大谷の存在は欠かせない。