
<巨人1-0DeNA>◇15日◇東京ドーム
64年ぶりの一手が決まり、巨人が連敗を3で止めた。上位打線からの流れをつくるべく、打率3割超で出塁率も高い甲斐拓也捕手(32)が2番で起用された。3回1死一、三塁、DeNAジャクソンの変化球を空振りした後の2球目の高め150キロを右前へ運んだ。均衡を破った貴重な一打は決勝打に。「何としても先制点が欲しい場面でしたので食らいついていきました。先制できて良かったです」と、コメントにも安堵(あんど)感がにじんだ。
自身4年ぶり2度目の「スタメン2番」を告げられたのは、試合に向けた練習前。「別に何も変わらず、普通通りやろうと思いました」と冷静に受け止めながら「次に尚輝(吉川)と和真(岡本)と卓三(大城)がいたんで何かしっかり仕事ができるように」とベンチの意図も理解して試合に臨んでいた。適時打だけでなく、7回には無死一塁からの犠打が併殺となった直後に四球を選び、嫌な雰囲気を断ち切った。
本業でも先発井上にテンポ良く投げさせた。ピンチの場面では「不安にならないように、一方通行にならないようにしたいんで、そこは伝えて。あとはね、試合の中のポイントでしっかりケツをたたけるようにやりたいなと思って」と声をかけた。完封勝利は今季4試合目で、1-0は初。攻守で連敗ストップの立役者となった甲斐だが、お立ち台で「今日は温大(井上)のおかげです、みなさん拍手お願いします」と若き左腕を立てた。【浜本卓也】
▼21年5月22日オリックス戦以来2度目の先発2番で出場した甲斐が先制適時打。2番で先発した巨人の捕手は、61年9月23日国鉄戦の藤尾以来、64年ぶり。巨人の2番捕手は36年中山6試合、40年吉原7試合、61年藤尾1試合に次いで4人目となり、2番捕手のV打は40年7月7日阪急戦の吉原以来、チーム85年ぶり2度目。