
<仙台6大学野球:東北福祉大2-0東北工大>◇12日◇第1節第1日◇東北福祉大野球場
並々ならぬ思いでラストイヤーを迎えた。東北福祉大の新保茉良(まお)内野手(4年=瀬戸内)がリーグ戦初スタメンの初打席で勝利へ導く1本を放った。
0-0の2回2死満塁の好機で先制の2点左前適時打。「1本は打ちたかったので、チャンスで打てて本当に良かったです」と安堵(あんど)の表情。ラストイヤーに懸ける思いは人一倍だ。理由は1年生から仙台大のレギュラーとして出場する2つ下の弟、玖和(くお)の存在だった。「最後くらいは負けたくない」と並々ならぬ思いを持つ。
頻繁に連絡を取り合い、食事も行くほど仲がいい。だが、グラウンドでは火花を散らす。1年春からレギュラーの玖和は、全国の舞台も経験。茉良は「兄弟なので応援はしていますけど、あいつが東京ドームで結果を残したときは悔しかったです」と吐露する。
昨季は春秋ともに仙台大が優勝。今年は何が何でも負けられない。守備位置も同じ遊撃手。開幕前には「俺がベストナインをとる」と互いに言い合った。同じリーグで切磋琢磨(せっさたくま)できるのも今年が最後。ラストイヤーに全てを懸け、仙台6大学の新保といえば「茉良」だと証明する。【木村有優】