
<西武-ロッテ>◇8日◇ベルーナドーム
球数を費やしても、追加点は許さない。西武高橋光成(28)は、5回1失点と粘投した。5回2死一塁、2-2からのロッテ・ソトに投じた89球目だった。ホーム手前でワンバウンドする低めのフォークで空振りに打ち取ると、グラブをたたき感情をむき出しにした。1-1の同点のままマウンドを譲った。勝利はまたも持ち越しとなったが、次戦へとつながる内容だったに違いない。
チームが昨季4勝21敗と苦手としたロッテとの今季初めての対戦のマウンドを託され、失点は初回の1点に食い止めた。2回2死一、二塁では角中を二ゴロに抑え、4回先頭の高部に中前に運ばれるも、上田、佐藤都、小川と凡打に打ち取った。この日最速154キロの直球が捉えられても慌てず、スライダーやフォークなどの変化球を低めに集めながら、最少失点でしのいだ。
昨季0勝11敗に終わったことは「本当に苦しかった。どうにかしたいともがいても、抜け出せなくて」と悩みに悩んだ。「野球人生のプラスになると」と信じて復活を目指した今季。初登板は日本ハム打線に5回6失点と打ち込まれ、22~23年に12連敗した隅田の球団ワースト記録に並んだ。それでも首脳陣の信頼は揺るがない。2度目の登板機会で勝ち星こそ恵まれなかったが、高橋の春はきっともうすぐ。本拠地に集うファンにたちに、そんな予感を抱かせる投球で締めた。【平山連】