
<ロッテ0-5楽天>◇6日◇ZOZOマリン
開幕ローテに滑り込んだ23年ドラフト1位の楽天古謝樹投手(23)が、プロ初完封で今季初勝利をつかんだ。5点リードの9回2死走者なし。ロッテ高部を145キロ直球で左飛に打ち取ると、淡々とした表情でチームメートとハイタッチを交わした。「本当に完封はずっと目標にしていたので、今季1勝(目)という意味でもすごいうれしい」。相手打線を散発3安打と完璧に封じた。
初登板のZOZOマリンで球場特有の風を味方につけた。最速150キロを計測した直球が有効で「フライも多く取れましたし、低めに集めることもできた。だいぶ手応えはあった」。唯一得点圏に走者を背負った3回1死二、三塁では、岡を内角148キロ直球で見逃し三振。続く藤岡は外角147キロ直球で空振り三振に仕留めた。
特に岡を封じたクロスファイアは湘南学院(神奈川)時代から磨いてきた古謝の代名詞だ。母校の本萱(もとがや)昌義監督からは「右バッターのインコースにクロスの球が投げられなきゃ、左ピッチャーとして成長はない。ここに投げられるか投げられないかが生命線」と、口酸っぱく言われてきた。そのボールがここぞの場面で光った。
2年目で初の開幕ローテ入りを果たした。当初は腰の張りで離脱したハワードの代役という位置づけだったが、今季初登板の3月29日オリックス戦(京セラドーム大阪)で5回2安打無失点と好投。2試合で14イニング連続無失点と覚醒の気配が漂う。
ローテを支える岸や早川からも刺激を受ける。「ああやって長いイニングを投げ切ってる姿を見て、甘えてられないなと。2年目なんで。自分が1つの柱になっていけるように、先発ローテーションの人たちに頑張って追いつけるように、これからも結果を出し続けたい」。チームの2位浮上に貢献。もう代役とは言わせない。【山田愛斗】