
<ソフトバンク4-7ロッテ>◇30日◇みずほペイペイドーム
自らの武器を封印し、開幕3連勝に貢献した。同点に追いついた直後の7回、ロッテ木村優人投手は2番手で登板。初の1軍マウンドも「最初緊張はしたんですけど、それ以上に投げたい、勝ちたい気持ちが強かった」と戦う準備はできていた。
強打のソフトバンク打線が相手でも、冷静だった。山川の空振り三振を皮切りに3者凡退で堂々の無失点デビュー。最大の武器である直球を投じたのは13球中4球のみ。「少し真っすぐで押せるかなって思ったんですけど、(佐藤)都志也さんのサイン通りうなずいて自信持って投げるだけだった」。チームの勝利を最優先した。マウンドを降り、佐藤とハイタッチした瞬間、緊張がほどけて笑みがこぼれた。吉井監督は「かなり気合入ったと思うんですけど、初球ストライクとってなかなか堂々としていて最高のピッチングでした」と13年ぶり開幕3連勝を呼び込み、自らも白星を手にした右腕をたたえた。
霞ケ浦から23年ドラフト3位で入団した2年目。木村は「いずれは先発でローテ回ってっていう気持ちが強いですけど、今は中継ぎでできることをしっかりやって、チームの勝利に貢献できるようにやりたい」と与えられた役割を全うする。【星夏穂】
▼高卒2年目、19歳9カ月の木村が初登板で初勝利。ロッテの初登板勝利は21年4月1日楽天戦の本前以来17人目で、10代では08年4月26日ソフトバンク戦の唐川(18歳9カ月)以来17年ぶり。木村のように初登板で救援勝利は、90年8月3日オリックス戦の八島以来35年ぶり。八島も高卒2年目、19歳10カ月で初登板勝利したが、通算1勝のみ。木村は何勝積み上げられるか。
▼ロッテが開幕3連勝。ロッテの開幕3連勝以上は4連勝した12年以来、13年ぶり5度目。この3試合は0-1→8-2、3-4→5-4、0-4→7-4とすべて逆転勝利。開幕から3試合連続逆転勝ちは18年広島以来で、ロッテでは初めてだ。また、ソフトバンクの開幕3連敗は、1分けを挟んで4連敗した90年以来、35年ぶり4度目。開幕から3試合連続逆転負けは、こちらも球団初だった。