
<阪神1-7DeNA>◇1日◇京セラドーム大阪
テルよ、立ち向かえ! 阪神がホーム開幕戦で昨季日本一のDeNAに完敗し、2連敗で勝率5割となった。まだ開幕4試合目ながら心配なポイントは3番佐藤輝明内野手(26)の状態だ。この日は3打席連続三振を喫し、3点を追う8回無死一、二塁の好機でも遊飛。3月28日の開幕・広島戦で第1打席に先制2ランを放って以来、安打が出ていない。それでも藤川球児監督(44)は不振期間について「必ずある」と理解を示し、「また明日に向かって立ち向かうと思います」と奮起に期待した。
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球団創設90周年の幕開けを白星で飾ることはできなかった。この日は掛布OB会長らレジェンドOB8人が集結する華やかムードも、ホーム開幕戦で悔しい黒星。藤川監督は「やっぱりそりゃ勝ちたいし、相手も勝ちたいし。明日あさってと、あと2つあるんで、精いっぱい頑張ります」と誓った。
チームの顔とも呼べる主砲から、快音が響かない。3点を追う8回、近本と中野の連打でつくった無死一、二塁の絶好機。打席に立った3番佐藤輝はDeNA伊勢の直球を高々と打ち上げた。チャンスを広げられぬ遊飛に森下、大山の主軸も続けず、追い上げムードがしぼんだ。
「切り替えて、まず明日なので。しっかり切り替えてやります」。懸命に前を向いた主砲は当初、最高の幕開けを切ったはずだった。開幕戦の3月28日広島戦(マツダスタジアム)で、初回の第1打席に先制の決勝2ラン。自身最速のアーチを放ったが、それ以降はHランプもともせていない。
オープン戦では出場11試合でわずか7三振だったが、開幕4試合目にして10三振に到達。30日の同戦の最終打席からこの日の第3打席まで4連続三振を喫した。打率0割6分7厘は規定打席到達者の中で最下位。それでも藤川監督は不安視しない。シーズンでこういう時期はあるかと問われると、すぐにうなずいた。
「そうですね、必ずあると思うしね、それがいつか分からないのがバッターですからね。ただ、本人の中でまた明日に向かって、立ち向かうと思いますよ」
開幕に向けてキーマンに挙げた存在。オフの取り組みを知っているからこそ、ここから本来の打棒を取り戻すと信じている。「ペナントレースですから、明日あさってとまた、クリーンアップの方も気持ちを入れ替えて来てくれると思うので」。連敗を喫し勝率5割に戻ったが、シーズンはまだ始まったばかり。主軸の背中を前向きに押しながら白星を目指す。【磯綾乃】