
<広島0-4阪神>◇28日◇マツダスタジアム
今季就任した阪神藤川球児監督(44)が鮮やかに初陣を飾った。初の開幕投手だった村上頌樹投手(26)が今季初勝利を挙げた。
初回、佐藤輝明内野手(26)が今季の12球団最速アーチとなる2ランで主導権を握った。1死一塁から広島森下暢仁(27)の甘いチェンジアップを右翼スタンドに運んだ。「一番良いスタートがきれて最高です」と5年目で初の開幕戦アーチを喜んだ。
前日28日の共同記者会見で藤川監督は「佐藤ですね」と自軍のイチオシ選手に挙げていた。期待に見事に応えた。
初めて開幕マウンドに上がった村上は、これ以上ない仕事だった。初回から3者凡退で幸先のいいスタートを切ると、2回は3者連続の空振り三振。中盤からは走者を背負い出しながらも、危なげなく後続を切った。
2-0のまま試合は終盤へ。追加点がほしい8回、近本光司外野手(30)の左越え二塁打でチャンスを作った。大山悠輔内野手(30)が中前へ、前川右京外野手(21)右前へと連続適時打を放って点差を4点に広げ、試合を決めた。
その裏を抑えた村上は9回も続投。ピンチを招き、2死一、三塁で岩崎に交代したが、そのまま抑えた。投打ががっちりとかみ合い、敵地で広島を退けた。
藤川監督は現役時代にクローザーとして大活躍。コーチ経験のないまま監督に就任した。「今年のタイガースがどんな野球をするか楽しみにしていてください」と宣言していた44歳の監督が、理想の展開で1勝を手にした。