
智弁和歌山ナインが浦和実の変則左腕・石戸颯汰投手(3年)の攻略へ自信をみせた。
準決勝を翌日に控えた27日、同校のグラウンドで練習を実施。右足をアゴの高さまで上げ、ボールの出どころも見づらく、リリースポイントの高い独特の投球フォームの難敵について、4番福元聖矢外野手(3年)は「あのタイプの投手は珍しいですけど、苦手意識はないです。(攻略への自信は)それなりにあります」と胸を張った。
この日は「仮想石戸」をイメージし中谷仁監督(45)やコーチらがフリー打撃の投手を務めた。独特の投球フォームをまねて投げ、打撃マシンのリリース位置を通常より高く設定するなど工夫を重ねた。福元は「フォーム全体を見てしまうと差し込まれると思う。そこをいかに自分で自制できるか。術中にハマらず、自分たちの打撃をいかにできるかがカギになると思います」とイメージした。
福元は昨年は主に1、2番だったが、今春から4番を任されている。甲子園3試合は11打数3安打の打率2割7分3厘、2打点で勝利に貢献してきたが満足していない。「思った結果が出ていない。準決勝、決勝は自分が先頭に立ってチームでやるべきことを示していかないといけない。しっかり自覚して覚悟を決めてやりたい」と力を込めた。
中谷監督も「うちが最も苦手とする左の軟投派」としつつ「難しい投手ですけど、最善の準備をしようと思っています」と引き締めた。18イニング連続無失点中の左腕を攻略し、31年ぶり2度目の頂点に王手をかける。【古財稜明】