
第97回選抜高校野球大会(甲子園)で初戦を突破した東海大札幌が25日、2回戦浦和実(埼玉)戦に臨む。24日は兵庫・伊丹市内で前日練習を行った。
相手は変則左腕の石戸颯汰投手(3年)が滋賀学園との1回戦で6安打完封勝利。この日、ナインは“石戸対策”を敢行。左の打撃投手2人を相手にバットを振った。遠藤愛義監督(40)は「似せて投げてくれて、2人とも良かった。出どころや角度に変化があるので、そこに惑わされず」と攻略を目指す。
打撃投手を務めたのはベンチ外の近江朋と加藤奏来の2年生左腕。動画を見て石戸の投球を研究し、フォームをまねた。「足を高く上げるのを意識して投げた」と近江。100球以上を投げたが、疲れを全く見せなかった。ともに最速も石戸と同じ130キロほど。加藤は「明日に備えていい準備ができていると思う」と、メンバーの活躍を期待した。
指揮官は「左バッターがポイントになるので、組み替えはある」と構想。23日の1回戦・日本航空石川戦で一時逆転となる3点三塁打を放った左打ちの八鍬航太朗内野手(3年)は、キーマンの1人となる。6番からの打順昇格の可能性もある。「初戦とは全然違うタイプの投手だと思うから、どれだけこっちが我慢強くできるかが大事」と話した。12安打の逆転勝利で勝ち上がったチームは、準優勝だった前回出場の15年以来10年ぶりのベスト8進出を目指す。【保坂果那】
○…10年ぶり甲子園勝利を挙げた東海大札幌が、うれしい悲鳴を挙げている。関西滞在が延びたことで、費用不足に悩んでいる。募集中の寄付金は目標金額5000万円のところ、集まっているのは約2000万円(21日時点)。寄付を希望する問い合わせはあるものの、学校の公式ホームページ内に開設した特設ページがあまり周知されていないという。戸田敬太部長(41)は「もうすでに赤字です。ぜひお願いしたいです」と、切実に呼びかけた。