
プロ野球の25年シーズンが28日に開幕します。日刊スポーツの計25人の評論家による毎年恒例の順位予想はパ・リーグ編です。豊富な戦力を誇るソフトバンクは18人が1位予想し、オープン戦で優勝した新庄剛志監督(53)率いる日本ハムが6人で続きました。元ロッテの里崎智也氏(48)が、今季のパ・リーグの戦いを分析しました。
優勝予想はロッテにさせてもらった。OBとして、2025年までに日本一を達成し常勝軍団を作り出すとしたビジョン2025を尊重したい。
戦力的には圧倒的に優勝と言い切れない部分はあるものの、新戦力としてはFAでソフトバンクから獲得した石川柊の存在、昨季イースタンで、本塁打、打点の2冠・山本大斗や、23年ドラフト1位・上田希由翔、さらにルーキーの西川史礁、宮崎竜成の加入はプラス材料。
ポランコ、ソトの強力助っ人も健在で、決してシニカルな姿勢から来る予想ではないことだけは、付け加えておきたい。
ソフトバンクは2位予想となったが、優勝争いの本命という位置付け。今宮、栗原、牧原大に故障があり出遅れたが、それで戦力ダウンとならないところがチーム総合力だろう。
上沢が加入し、ざわざわした空気もあったが、開幕して結果を出せば、こうしたことはすぐに過去のものになる。ポスト甲斐として期待された海野も直前に右太もも裏を負傷し、正捕手争いが続いている中で、嶺井をとっていたことは非常に大きい材料といえるだろう。先発スタッフもシーズン中での若手台頭が見込まれ、ここも不安要素は見当たらない。
日本ハムは新庄監督4年目にして最大のチャンス到来。万波、水谷の成長が著しく、そこをレイエス、マルティネスの強力外国人が補強。清宮、野村らも絡む打線は爆発力を秘める。
強打と走塁面の機動力を加味した多彩な攻撃が最大の魅力となるだろう。守備面でも、新庄監督が就任当初から取り組んできた手堅い守りへのレベルアップは見込める。投手力も若手を含め駒はそろった。開幕からスムーズにスタートできるか、そこがポイント。
台風の目と考えているのが4位予想の楽天。2年連続でCSを逃しているが、投手力はなかなか手ごわいと映る。早川、藤井が昨年そろって2ケタ勝利し、充実と安定感に期待がもてる。そこに古謝、荘司らも加わり、ベテラン岸は5番手という序列が、編成上とてもいい。チーム内の競争が生まれる環境がそろった。
今季の注目選手の1人、宗山がどうなるかによって、チームに影響が出るだろう。シーズンを通してやれるようだと大きなプラス。半面、厳しい状況になるなら、村林をショートに戻すなど、内野がバタバタするリスクがひそむ。
オリックスは森が脇腹を痛めたことがかなり痛手になる。そもそもここ数年、山本由、山崎福、吉田正が抜けた後遺症が、じわじわと効いているように感じる。宇田川、吉田もトミー・ジョン手術を受け、リリーフも総とっかえの不透明さは否めない
西武は3年後、4年後を見据えた長期ビジョンのスタート地点という位置付けになるだろう。打線がどういう形になるのか、今の状況では見通すことは難しい。
平良がリリーフに回り、投手力はある程度の数字は期待できるが、打線が果たしてどこまで機能するのか。ここが未知数であっては、予想としては下位にせざるを得ない。(日刊スポーツ評論家)