
<オープン戦:ドジャース8-4レンジャーズ>◇6日(日本時間7日)◇アリゾナ州グレンデール
【グレンデール(米アリゾナ州)6日(日本時間7日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、高打率を期待させる広角打法を披露した。レンジャーズとのオープン戦に「1番DH」で出場し、4打数2安打。出場4試合連続安打をマークした。3打席で終える予定だったが、4打席目を志願し、左前へのクリーンヒットで好感触を得た。オープン戦打率は4割1分7厘に上昇。東京開催の開幕シリーズ(18、19日)に向け、順調な仕上がりを見せる一方で、5月前後の復帰を見込まれていた投手調整では後退することとなった。
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力強いだけではない、シャープなスイングで大谷はクリーンヒットを重ねた。第1打席、元ヤクルトのブキャナンと対戦。内角低めチェンジアップに空振りし、2ストライクと追い込まれたが、直後の外角直球を左翼線へ運んだ。“大谷シフト”で三塁付近はがら空き。無人のスペースを切り裂くように低空飛行で打球を飛ばし、鮮やかな二塁打でスタンドを沸かせた。
最後に好感触も得た。第2打席から2打席連続でバットを折って凡退したが、志願して臨んだ第4打席は、左腕から左前にクリーンヒット。ロバーツ監督は「ショウヘイは非常に良かった。2ストライクからの二塁打、左腕からも強い打球を放った。いい状態にいる」と話し、ベイツ打撃コーチも「日に日に、良くなっていると思う。スイングの状態もいい」と評価した。
今季オープン戦初出場から左越え本塁打、中前打、右前打、左翼線二塁打、左前打と広角に打ち分けている。この日の1打席目のように、三塁線を抜ける打球が増えれば、相手チームとしては内野守備で大谷シフトの対策が立てにくい。ベイツ打撃コーチは「守る方は難しい。50本打った昨年もそうだが、彼はフィールド全体を使えている」とコメント。昨季はシーズン最終戦まで首位打者を争い、わずか4厘差で逃したが、打率3割1分をマークした。今季、さらに高い打率を残しても不思議ではない。
改良を続ける新スライディングでも、減速していた前回出場よりも素早さが増した。1回1死二塁、3番フリーマンの中飛で二塁からスタートを切った。左手をつかずにスムーズな形で三塁へ到達。継続してきた走塁練習の成果が実戦で表れた。次回出場は1日空き、8日(同9日)のホワイトソックス戦となる予定。東京で開催される18、19日の開幕シリーズから逆算し、本番モードへと徐々にギアが上がってきた。