
<WEリーグ:新潟L0-1INAC神戸>◇9日◇第13節◇最終日◇デンカS
新潟レディースはINAC神戸に0-1で敗れ、リーグ戦6試合ぶりの黒星を喫した。前半31分にPKを決められ、先制点を2試合連続で献上。まずは同点を狙った後半はゴール前に迫る回数を増やしたものの、最後まで相手の堅固な守備陣を崩し切れなかった。同じ難敵に、今季公式戦3連敗。勝てば4位に浮上できた大切な一戦を落とした。
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常に上位に居続けるチームは、やはり強い。「3強」の一角とされるINAC神戸に0-1の惜敗。スコア以上に、勝ち切る力は相手が何枚も上手だった。勝てば4位浮上のみならず、勝ち点7差で追っていた相手に迫れた一戦。MF川澄奈穂美(39)は「この敗戦は大きい。勝ち点1でも、もぎ取りたかった」と厳しい表情だった。
狙っていたプランが崩された。前半31分、ペナルティーエリア内でDF横山がファウル。PKを献上し、先制点を与えた。堅守を誇る相手に、新潟の勝ち筋は「前半を0-0で終える」(川澄)ことだった。試合前には「精度が低くて助かった、で終わらないチーム」と警戒していただけに「ああいう1個のミスが命取りになるゲームだった」と唇をかんだ。
追う展開になってしまった後半は、前への圧力を高めてゴール前に攻め込む機会を増やす。22分にはFW新堀のクロスに3人が入り込む場面もつくった。しかし終わってみれば、相手のシュート数12本に対して新潟は5本だけ。橋川和晃監督(53)が口酸っぱく言い続ける「ゴール前のクオリティー」の課題が、如実に表れる結果となった。
この試合で首位に立ったINAC神戸との勝ち点差は「10」まで広がった。重い敗戦になったことは事実だが、指揮官が「まだまだ我々は挑み続ける」と言えば、川澄も「諦める理由にはならない」と語気を強めた。残るは9試合。食らいついていく。【大島享也】
○…2月に世田谷FC(なでしこ1部)から完全移籍で加入したFW新堀華波(24)が、ホームデビューを果たした。後半12分にピッチへ投入されると、裏抜けやサイドからのクロスで攻撃の起点となり、何度も好機を演出した。橋川監督からも「即戦力」として期待されるストライカーは「まだ結果は残せていない。もっと得点に絡めるように、次もチャンスがあったらプレーしたい」と先を見た。