新潟・上越市出身のヴィッセル神戸MF飯野七聖(28)が15日、J1リーグ連覇&天皇杯Vの「国内2冠」の勲章を引っさげ、地元で行われたサッカー教室に凱旋(がいせん)参加した。ともに指導したのは、同郷の湘南ベルマーレDF大野和成(35)と来季カターレ富山へ加入する法大DF竹内豊(4年)。さらに今季限りで現役を引退するサガン鳥栖MF森谷賢太郎(36)と横浜FCのDF武田英二郎(36)の2人と、アルビレックス新潟DF舞行龍ジェームズ(36)、SC相模原DF田代真一(36)も指導に加わった。
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飯野が地元の後輩たちにプロの技を伝授した。上越高主催のサッカー教室は初開催から3年連続で参加。今年もたっぷり3時間、スピードに乗りながらでも足からボールが離れないドリブルや、正確なシュートを披露した。「純粋にサッカーを楽しんでもらいたいと始めた活動。僕自身もすごく楽しめた」と笑顔を見せた。
神戸在籍3年目の今季はケガの影響もありリーグ戦の出場は14試合にとどまった。「不完全燃焼だった」と悔しがったが「出た試合でどう頑張るかを常に考えていた」と普段の練習から手を抜くことはなかった。前年度王者として臨んだリーグ戦は対戦相手に対策されながらも2連覇を達成。天皇杯でも頂点に立った。「チャンピオンではなく挑戦者として1試合1試合に死力を尽くすのが今年のチームのやり方。変な過信はなかったし、非常にいい1年だったと思う」と振り返った。
リーグ戦、2つの国内カップ戦、そしてアジア・チャンピオンズリーグ・エリートとタフな1年を戦い抜いた。「勝利に貢献できた部分と、もっと頑張らないといけない部分の両方が見えたシーズンだった」。常勝を求められる高いレベルに身を置きながら、個人の技術に磨きをかける日々。来季に向け「サイドで自分の特長を伸ばしつつ、中央でも人と絡みながらゴールを目指す部分を高めたい」。夢中でサッカーに取り組む地元の後輩たちの姿から「さらなる躍動」へ向けた思いを、より一層強くしていた。【小林忠】
○…元Jリーガーで上越高の藤川祐司監督(37)は「多くの(プロ)選手が協力してくれてありがたい。子どもたちも意欲的に参加してくれた」と笑顔を見せた。昨年に続き2度目の参加となった新潟DF舞行龍も「楽しかった。来季に向けたパワーを逆にもらえた」とうれしそうだった。今回は小1~6年の100人が集まった。