セレッソ大阪の来季監督にオーストラリア人のアーサー・パパス氏(44)の就任が内定したことが15日、分かった。
元横浜Fマリノスのヘッドコーチを務めた同氏は既に就任が決定的だったが、このほど完全合意に達した。近く来日し、今週中に正式発表される。
クラブ史上、オーストラリア人監督の就任はパパス氏が初めて。同国人のポステコグルー当時監督の率いる横浜で19年にコーチに就任し、リーグ優勝に貢献。20年にヘッドコーチに昇格し、21年はJ3鹿児島の監督を務めるなど、Jリーグや日本人選手の特長を熟知している利点がある。
今季10位に終わったC大阪は、FWレオ・セアラが1人で21得点を稼いだものの、チームの総得点43は全20チーム中16番目という課題が出た。ハイプレス、ハイラインの攻撃的なサッカーを志向するパパス氏に指揮をゆだね、さらなる進化と若手の底上げを目指す。
新指揮官は近く来日し、大阪市内の本拠地ヨドコウや練習施設を見学する。チーム編成の問題や、来年1月中旬からのタイ合宿に向けた詳細も話し合う。2月14日のガンバ大阪とのJ1開幕戦が、パパスC大阪の初陣になる。
来季のコーチングスタッフもほぼ総替えし、武田亘弘GKコーチ(59)は下部組織全体を統括する役職へ配置転換され、クラブOBで今季まで下部組織で4年間指導してきた稲田康志GKコーチ(39)がトップに初昇格する。
今季まで指揮した小菊昭雄監督(49)は、来季J2のサガン鳥栖の監督就任が既に発表されており、高橋大輔コーチ(41)、才野倭(やまと)分析コーチ(25)や通訳ら数人のスタッフが鳥栖へ同時に移る。
◆アーサー・パパス 1980年2月12日、オーストラリア・メルボルン生まれ。29歳だった09年に母国のU-18代表アシスタントコーチに就任。母国オークリーキャノンズやインド、サウジアラビアのクラブで監督、コーチを歴任。ポステコグルー監督就任2年目の19年に横浜コーチに、20年にヘッドコーチ昇格。21年にJ3鹿児島監督に就任も、コロナ禍で家族が体調を崩し双方合意で途中退任。その後はタイ1部ブリラムも率いた。