DeNAが、23年に在籍したトレバー・バウアー投手(33)の復帰に本腰を入れる。ブルペン陣を強化すべく獲得に動いていたライデル・マルティネス投手(28)が15日、巨人と基本合意。余裕が生まれた補強費を追い風に、昨年の先発陣を支えた元サイ・ヤング賞右腕獲得への交渉を本格化する。再契約の実現で、27年ぶりのリーグ優勝と日本一連覇をたぐり寄せる。
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DeNAがバウアーの横浜帰還に全力を注ぐ。今季、チームは26年ぶりの日本一を達成。さらに来季を見据えて、リーグワースト2位のチーム防御率3・07だった投手陣強化に動いた。
外国人選手では、すでにオースティン、ジャクソン、ケイ、ウィック、ディアスの残留が決定。一方でウェンデルケンとフォードの退団が決まった。水面下でリーグ屈指の守護神R・マルティネスの獲得調査を進めていたが、この日までに巨人と基本合意。獲得資金が宙に浮いた状態だ。
先発陣に絶対的な柱となれるバウアーが加われば、27年ぶりのリーグ優勝と日本一連覇へ、大きなプラス材料となる。先発陣はエース東に加え、ジャクソン、ケイが中心的存在。さらに伊勢も先発転向を球団に申し入れている。その他にも大貫、平良、石田健ら実績組に加え、吉野、石田裕、小園やドラフト1位ルーキー竹田ら若手も控える。
今季メキシカンリーグでプレーした元サイ・ヤング賞右腕のバウアーは23年にDeNAで10勝をマーク。今季も獲得に向け何度も交渉を続けてきたが、5月下旬に再契約を断念した経緯がある。その際、萩原チーム統括本部長は「日本に行くぞと決めた時にはうちが1番手になると信じてますし、その交渉はしていきたい」と、長期的なビジョンを口にしていた。
来日1年目も、バウアー本人がぎりぎりまでMLB移籍の道を探ったため、3月にDeNA加入が発表された。交渉は長期戦も予想されるが、日本野球を知る右腕が復帰となればDeNAにとって大きな追い風となりそうだ。
◆バウアーの今季 メキシカンリーグのメキシコシティーと1年契約を結び、14試合で10勝0敗、防御率2・48と好投。8月にはギラン・バレー症候群と診断され一時チームを離脱したが、復帰後はチームの10年ぶり優勝に貢献し、リーグの最優秀投手賞に輝いた。今オフはプラハで行われたチェコとスイスの代表親善試合に招待されるなど、ヨーロッパで野球の普及活動を行っていた。今年1年、メジャー復帰を目指しMLB球団へのアピールも続けていたが、米メディアでは獲得に興味を示す球団の存在は伝えられていない。
◆トレバー・バウアー 1991年1月17日生まれ、米カリフォルニア州出身。カリフォルニア大ロサンゼルス校から11年ドラフト1巡目(全体3位)でダイヤモンドバックス入り。インディアンス(現ガーディアンズ)を経て19年7月にレッズ移籍。20年は防御率1・73で最優秀防御率に輝き、サイ・ヤング賞受賞。21年ドジャースへ移籍。23年1月に契約解除となり、同年3月にDeNAと1年300万ドル(約4億500万円)で契約。24年はメキシカンリーグでプレー。MLB通算成績は222試合で83勝69敗、防御率3・79。NPB通算成績は19試合で10勝4敗、防御率2・76。185センチ、92キロ。右投げ右打ち。