先週は米国の金融引き締めへの警戒感から、米国の主要3指標は調整に入り、米国の債券市場では、10年物国債利回りが1.80%にまで上昇。
その後、一旦落ち着き、10年利回りの低下と共に株価は反発したものの、結局、米国の金融政策の正常化を意識したハイテク株等の値動きが重荷となっており、その流れはもちろん日本のマーケットにも影響することで、引き続き警戒感が根強く残っての週末入りです。
気になるところとしては、円相場が1月4日に116円をつけてから、先週は一時113円に触れるなど、1ドル=114円台の円高・ドル安で推移しています。
これによって製造業では輸出採算の悪化懸念となっています。
現在の日本では、新型コロナウイルスのオミクロン型の感染拡大によって、経済停滞へのリスクが意識されるところです。
SQ値は2万8,266円となりましたが、14日に高値も終値もSQ値を下回りました。これにより、下への意識が強くなることが想定されるところです。
現状分析
チャートを細かく見ていきましょう。
ローソク足は、陰陽陰陰
日足の移動平均線は、
5日線は下向きを維持し、12日に25日線とデットクロスとなりました。
25日線は、上向きでしたが、13日に向きを下向きとしました。
75日線は、引き続き下向きで推移しています。
並び順は75日・25日・5日線の並び順で、安定下降を示しています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線ですが、下向きに推移し、更に上値抵抗として機能しているため、今後も注意深く見ていきましょう。
トレンドライン
ずっと意識されていた12月3日・20日・1月11日の安値を結んだラインと12月8日・16日・1月5日の高値を結んだラインの下降フラッグでしたが、14日にこのラインを割ってきました。
意識されていた通りの下降フラッグの動きとなりました。
現在のトレンドラインとして意識されるところは、9月14日、11月16日、1月5日の高値を引いたラインが上値抵抗ラインとして意識され、この高値ラインからの三角持ち合いとして機能する下値支持線として、8月20日と10月6日、12月3日そして、1月14日の安値を結んだラインが広範囲での下値支持線となり、大きな三角持ち合いのラインとして意識されます。
上値としては、1月13日14日に開けた窓が意識されそうです。
一目均衡表
転換線と基準線が交差となり、下降を示すかたちとなっています。
引き続き雲の下を株価は推移して週末を迎えています。遅行線も下向きで弱さが見えています。
次回の雲のねじれは1月26日です。
ボリンジャーバンド
1月13日まで収縮していましたが、14日には拡大となり、株価は-2σに触れました。-2σでの下げ止まりを確認したいところですが、今週の値動きによってはバンド拡大もあり得るので警戒です。
スローストキャスト
30台前半まで落ちてきました。まだ売られすぎゾーンへは到達していないため、ここから売られすぎゾーンへ突入するのかに注目です。
MACD
11日からヒストグラムは陰転しています。
シグナルが0ラインを超えられず下げており、弱さが見えます。
下げのピークアウトがまだ確認できていない状況ですのでMACD指標も注視していきましょう。
次回の満月は1月18日です。
総合判断的
下降フラッグ割れで、弱さが目立っています。
下への意識を持ちつつも、早期に開けた窓を埋めるだけの買いが入るかどうかにも注目です。
17日はキング牧師の誕生日の祝日で米市場は休場ですので、突発的な大きな値動きには注意していきましょう。(執筆者:城 晶子)
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