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アーバネット Research Memo(7):22年6月期は期初予想を据え置き、増収ながら営業減益を見込む


■業績見通し

1. 2022年6月期の業績予想
2022年6月期の業績予想についてアーバネットコーポレーション<3242>は、期初予想を据え置き、売上高を前期比9.8%増の23,000百万円、営業利益を同4.4%減の2,220百万円、経常利益を同6.3%減の1,950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同1.4%増の1,300百万円と増収ながら営業減益を見込んでいる。

「不動産事業」における販売戸数の拡大が増収に大きく寄与する見通しである。前提となる販売戸数は、上期販売分を含め12棟727戸(前期比44戸増)を計画しているが、すべて契約済である※。一方、利益面で営業減益となっているのは、上期実績と同様、1)用地価格の高騰や工事原価の上昇、2)過去の契約時点においてコロナ禍の影響を最小限に抑えるべく、利益確定を優先させ早期契約を推進したことが主因である。したがって、2)については、リスクマネジメントに関わる一過性要因として捉えることが妥当であろう。

※12棟のうち、投資ファンド等への1棟一括販売は半分を占めるようだ。


2. 弊社の見方
弊社でも、前提となっている販売戸数727戸(そのうち下期は528戸)がすべて契約済みとなっていることから、売上高予想の達成は可能であると見ている。ただ、売上計上される引き渡しの時期が期末(6月末)近くに集中していることから、建設工期の遅れ等が売上高の期ずれにつながる可能性には注意が必要である。特に、世界的なサプライチェーン混乱による建設資材の供給不安等は決して軽視できないリスク要因として念頭に入れて置くべきであろう。もっとも、仮にそうなったとしても、単に期ずれによるものなのか、構造的な影響として続くものなのか、冷静に実態を見定める必要がある。最大の注目点は、東京都心での用地取得が困難な状況が継続するなかで、いかに将来に向けてパイプラインの積み上げを推進していくのかにある。引き続き、大型プロジェクトの取得や東京都心以外(地方中核都市を含む)への展開、新たに開始したZEH仕様マンション開発の動向などにも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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