
自民党の政治資金パーティー裏金事件を巡り、世耕弘成・前参院幹事長の参考人招致が21日、参院予算委員会で始まった。旧安倍派が所属議員に対し、パーティー券収入のキックバック(還流)を再開させた経緯が焦点。世耕氏は、自らも参加した2022年8月の幹部会で還流再開は決まらなかったという認識を改めて示した。
旧安倍派では所属議員にパーティー券販売のノルマを割り当て、超過分を議員側に還流することで裏金の温床となっていた。
22年4月、派閥会長だった安倍晋三元首相が還流中止を指示。しかし、同年7月に安倍氏が銃撃されて死亡後、いずれかの時点で還流が再開されたとみられている。
衆院予算委は今年2月、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏の参考人聴取を東京都内のホテルで実施。松本氏は22年8月の幹部会について「(還流再開の)方向性を決めた会だと認識している」と説明した。
しかし、世耕氏は21日の参考人招致で、22年8月の幹部会について、自らは「(ノルマ超過分を)返す必要はないと主張した」と説明。別の幹部から、所属議員に何らかの資金対応が必要との意見も出たが、その場で還流再開は決まらなかったと主張した。