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無酸素運動といっても酸素が不要なワケではない




主として酸素を使わずに作り出したエネルギーを使うのが無酸素運動、おもに酸素を使って作り出したエネルギーを利用するのが有酸素運動です。そして、50m走などの短距離走は無酸素運動として知られています。それなのになぜゴールすると、ゼェゼェと呼吸が苦しくなるのでしょうか?


無酸素運動といっても酸素が不要なワケではない


無酸素運動は疲労物質を蓄積する


体を動かす燃料は、基本的には体内に取り入れた酸素で栄養素を燃やして作られます。ただし、運動をして酸素が足りない状態になると、燃料を作ることが追いつきません。


すると、酸素を使わない無酸素的なエネルギー産出に頼る割合が増えていきます。これが無酸素運動なるわけですが、エネルギーに酸素を必要としていないため呼吸が苦しくなる理由がないはずです。


じつは、無酸素運動は乳酸や水素イオンなどの疲労物質を筋肉内に蓄積します。すると、筋肉が疲労して運動を長時間続けることができなくなるのです。この乳酸などを処理するために必要なのが酸素。だから急いで息をしているのです。


無酸素運動の疲労物質の処理に酸素


日本の国技である相撲も、その動きのほとんどは無酸素運動。関取が取り組み後にゼェゼェと息を切らしているのは、スタミナがないわけではありません。短い時間に爆発的な力を使う無酸素運動で、筋肉の中に乳酸などの疲労物質が大量に発生。この乳酸を処理するために急いで息をしているのでした。


ちなみに有酸素運動は、酸素と脂肪をエネルギー源としています。このため、基本的に長距離走の選手は息切れをおこしません。乳酸の産出が少なく、急ぎで大量の酸素を取り込む必要がないからです。


一方で、相撲の稽古もほとんどが無酸素運動。稽古で大汗をかいて息を切らしても、有酸素運動ではないため脂肪は燃焼しません。このため、相撲取りは体脂肪率はさほど下がらないで、体型を維持できているわけです。


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