
交通事故後に搬送先の病院で看護師に暴行したなどとして傷害の疑いで逮捕、送検された広末涼子容疑者(44)をめぐり、15日に放送された日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)で、法曹関係者から、今も同容疑者の勾留が続くことへの分析や見解が示された。
広末容疑者は傷害罪で逮捕、送検されたが、10日に静岡県警が、高速道路での事故をめぐり自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで、東京都内の同容疑者の自宅を家宅捜索。この時、自宅から違法な薬物は見つからなかったとされている。一方、検察側からの勾留請求を同日、裁判所が認め、今月19日まで10日間の勾留が可能となっている。
大阪地検検事出身の亀井正貴弁護士は「原理的に申し上げますと、この事案は本来、勾留をつける事案ではないんですね。勾留をつけるとしたら、恐らく精神的に動揺して調べができないし、離したらどこに行くか分からないから、とりあえず勾留をつけておこうという判断はあり得ますが、こういうケースの場合には勾留する理由がなくなれば、数日間で釈放する」とした上で「問題は、危険運転致傷の問題なんですね」と述べた。
「この事案は、危険運転致傷の立証のハードルが高い。逆に(罪状は)重くなるけれど、ハードルが高いからどうするか。非常に迷うところなんです」と、危険運転致傷容疑での捜査状況を分析。「その意味では(事故を起こした車の)同乗者の人が『もう、これはいいです』となってくれば、危険運転致傷罪での捜査の圧力は弱まってくる。例えば、とりあえず(勾留期限の)満期までやって、そこで全部合わせて、略式(起訴)、罰金で落とすか、不起訴で落とすかということは、選択肢の中には頭に入ってきていると思う」と推測した。
亀井弁護士はまた、広末容疑者の勾留が今も続いていることへの受け止めを問われると「基本的には傷害の関係でいくと、証拠隠滅の恐れとかはなくて証拠ができたら、釈放なんです。検察の感覚はそうなんですが、10日間を一応取ってますから、勾留することはできるんです」と述べた。
一方で、警察当局の思惑については「恐らく今、警察が何を考えているかというと、危険運転致傷罪で立件できるかということだと思う」と分析。「もしこれが普通の交通事故の過失運転致傷で終わるんだったら、(勾留期限内の)今週の金曜日の段階で、起訴猶予で放す(釈放)かということを考えながら、やっていると思う」とも推測した。
「本件の傷害の原因は事故にあって、その事故の原因は何かというのはこの捜査の過程で必要だということが、恐らく勾留を付ける時に発想の中ではあったと思う」とも指摘した。