
静岡県島田市の病院で女性看護師(37)にけがをさせたとして、傷害の疑いで静岡県警に現行犯逮捕・送検された女優広末涼子(44)が16日、処分保留で釈放された。広末は7日午後に新東名高速道路で大型トレーラーに追突する事故を起こし、同病院に搬送。捜査関係者によると、16日までに看護師側との示談が成立し、今後は任意での捜査が続くとみられる。
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深夜の逮捕劇から8日。広末は午前6時20分、黒いスーツに身を包み、関係者とともに姿を現した。化粧はしつつも、顔はやややつれた様子だった。集まった約15人の報道陣を神妙な面持ちで見渡し、3秒ほど、深々と頭を下げた。頭を上げるとほほえみ、その後、男性が運転する黒のワンボックスカーで留置先の浜松西署を後にした。車に乗り込むと、カメラの前では見せなかった満面の笑みを浮かべていた。
広末は8日未明、交通事故後に搬送された島田市内の病院で、看護師を複数回蹴り、腕を引っかくなどし、傷害容疑で現行犯逮捕された。9日に送検され、静岡地裁浜松支部が10日に勾留を認めた。逮捕から釈放まで197時間半にも及んだ。捜査関係者によると、広末と看護師との間で16日までに示談が成立したといい、今後は新東名高速道路で起こした交通事故について、任意での捜査が進められるとみられる。
広末の個人事務所は公式サイトで勾留の解除を報告し、「本件の被害者の方々に対し、心より深くおわび申し上げます」と謝罪した。続けて「関係者のみなさまにもご心痛、ご負担をおかけしたことを真摯(しんし)に受け止め、誠実に責任を果たしてまいります」とした。
捜査の中では薬物検査なども行われたが違法薬物は検出されず、「家宅捜索でも薬物が押収された事実はなく、本人は過去を含め、薬物に一切関与しておりません」と薬物疑惑を否定した。一方で、精神的に不安定な状態が見られたといい、釈放後はそのまま都内の医療機関に入った。事務所は「本人は被害者をはじめ多くの方々に多大な迷惑と混乱を与えてしまったことを大変申し訳なく思っており、深く反省しております」とし、「今後は適切な医療機関にて診断を受けた上で、医師の指導のもと、慎重に治療と健康回復に努めてまいります」とした。
今後については「本人の体調と状況を見極めながら、慎重に対応を進めてまいります」とするにとどめた。23年6月に有名シェフとの「ダブル不倫」を報じられて無期限謹慎を発表して以降、2度目の離婚を発表するなど、心配する声が相次いでいた。昨年4月に活動再開も、1年で事件を起こし、再び活動自粛に追い込まれた。度重なるトラブルにダメージは大きく、法的な問題をすべてクリアできても、芸能活動再開への道は厳しいものとなりそうだ。【野見山拓樹】