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映画「片思い世界」脚本家の坂元裕二氏「死んだら生ごみにでも出してくれれば良い」死生観語る


映画『片思い世界』の公開を記念して行われたイベントで、脚本家の坂元裕二氏が、生と死について自身の思いを語りました。広瀬すず、杉咲花、清原果耶が主演を務めるこの映画は、坂元氏が「花束みたいな恋をした」に続き製作したもので、劇中では3人の女性が古い一軒家で共に生活するが、実は幼少期に合唱団で起きた事件で亡くなっている設定。坂元氏は、個人的な経験からこの物語の着想を得たとし、「5歳で人が亡くなることを理解した経験」が影響していると述べました。また、未来や過去の人々のために物語を作ることが、自分自身を癒やし、弔いになるとも語っています。

映画「片思い世界」公開記念ティーチインイベントに登壇した坂元裕二氏(撮影・村上幸将)

脚本家の坂元裕二氏(57)が13日、都内で行われた広瀬すず(26)杉咲花(27)清原果耶(23)主演映画「片思い世界」(土井裕泰監督)公開記念ティーチインイベントに登壇。「死んだら生ごみにでも出してくれれば良いと思うし」などと生と死について語った。

「片思い世界」は、坂元氏が土井裕泰監督(60)とタッグを組んだ21年1月公開の前作「花束みたいな恋をした」の公開から約1年後に、坂元氏が広瀬、杉咲、清原の3人で物語を作ることができないか? と着想。劇中で広瀬は相楽美咲、杉咲は片石優花、清原は阿澄さくらを演じた。3人は古い一軒家で一緒に暮らしているが、実は幼少期に合唱団で発生した事件に巻き込まれ、亡くなってしまっている設定だ。

坂元氏は、物語をどのように着想したか? と聞かれると「2、3年前に親戚が亡くなりまして…ふと思い付いた。子供の頃、思い付いた物語だと行き着いたんです」と切り出した。そして「5歳で人が亡くなると認識して、それが受け入れられなくて毎日、布団で泣いていた。自分が考えたお話が、別の世界に行って、普通に暮らしているんだと」と続けた。

美咲、優花、さくらは仕事、学校、バイト、それぞれ毎日出かけて行って、帰ったら3人一緒に晩ごはんを食べ、リビングでおしゃべりして、同じ寝室で寝て、朝になったら一緒に歯磨き。お互いを思い合いながら穏やかに過ごす。楽しく気ままな3人だけの日々を送っているが、現実世界と交わることなく、現世と交わることはない。

坂元氏は「自分自身が、とても現実的な人間で、私自身、幽霊もUFOも見たことはないし。書き方にウソをつけないので自分の中では(3人が現世と)交わることはウソだと思っていて。実際に(死者と)会わないし」と説明した。

仕事をしながら「誰のために書いているんだろう…」と考えることもあるという。「ここ(現代)にいる人のために書こうと思っていたら、これから生まれる未来の人のために書こうということも増えて。既にいなくなった人のために作ることで、自分自身を癒やすことにもなり、弔いにもなる」と過去と未来の人に向けて創作するようになってきたと語った。

質疑応答で、自分のことを描かないのか? と聞かれると「良い意味で解釈しているんですけど、人が好きで自分に興味が無い。自分のことで書きたいと思ったことはない」と答えた。それでもリクエストされると「僕の話? これから、考えてみます」と言い、笑った。

◆「片思い世界」現代の東京の片隅。古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)は、もう12年、家族でも同級生でもないけれど、強い絆で結ばれてきた。美咲には、バスで見かけるだけの気になる人・高杉典真(横浜流星)がいて、そのことに気がついた2人は…。それぞれが抱える、届きそうで届かない「片思い」とは…。どうしても声を届けたいと、行動を起こす。

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