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ブルーリボン賞授賞式に新たな名司会現る…その名は神木隆之介


第67回ブルーリボン賞授賞式が東京で開催され、「ゴジラ-1.0」で主演男優賞を受賞した神木隆之介が、吉永小百合と共に司会を務めた。授賞式は映画記者会が主催し、前年度受賞者が司会を務めるのが特徴。神木は受賞者への配慮を見せ、台本にないアドリブを控えつつも台本をベースに司会を進行させた。一方、吉永は受賞者への深い敬意を示し、自らの経験を交えた心のこもったコメントを述べた。今回の司会は、来年の司会を期待させる素晴らしいものであった。

12日、ブルーリボン賞の司会を務める神木隆之介(左)と吉永小百合

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

1年前に「ブルーリボン賞授賞式で“名司会”の二宮和也、台本超えたアイデアとセリフの先に見たいもの」という当コラムの原稿を書いた。日刊スポーツをはじめ、在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成する東京映画記者会が主催する映画賞「ブルーリボン賞」授賞式の名物が、前年度受賞者が司会者を務めることで、22年度に「ラーゲリより愛を込めて」と「TANG タング」で主演男優賞を受賞した二宮和也(41)の、名司会ぶりを紹介した。

そして今年、67回目を迎えたブルーリボン賞に、新たな名司会が誕生した。23年度に「ゴジラ-1.0」で主演男優賞を受章した神木隆之介(31)である。12日に東京・イイノホールで行われた授賞式で、神木は「こんにちは、母さん」で00年「長崎ぶらぶら節」以来23年ぶり3度目の主演女優賞に輝いた、吉永小百合(79)と並んで司会を務めた。共演した作品はなく、ブルーリボン賞の司会が初共演だった。

昨年、ブルーリボン賞は20年のコロナ禍以降、見送ってきた授賞式を4年ぶりに復活させ、本紙が幹事社を務めた。映画担当キャップの記者は、授賞式の進行台本の構成を行ったが、NHK紅白歌合戦で白組の司会を嵐として10~14年まで5度、個人として17年に1度、務めた経験を持つ二宮は、自らの判断で台本に見事としか言いようのないアドリブを加えた。

まず、主演女優賞を受賞した吉永の贈賞の際、62年「キューポラのある街」、00年「長崎ぶらぶら節」に続く3度目、しかも昭和、平成、令和にわたっての主演女優賞受賞を成し遂げた、吉永の偉業を、当時23歳で助演女優賞を受賞した浜辺美波を絡めた、このひと言で表現した。

「驚いたのは、浜辺美波ぶり。23歳なんで…でき上がっちゃいますよ」

さらに、神木と吉永が1年後に司会を務めることを踏まえ、神木が受賞スピーチを終えた次の瞬間に「隆之介は来年、司会ですので」と一声かけた。その流れから、吉永が受賞スピーチを終えると神木を舞台中央に呼び、2人の握手とトークをお膳立てした。この2点は、記者の書いた台本には1つも書いていなかった。

1年後の今年、記者は授賞式中の場内で、禁止していた客席からの撮影、録音がないか、などを確認する場内警備を担当した。全体を見渡せるステージ前に陣取ったが、ちょうど神木と吉永が立った司会台の下だった。そのため、2人の司会ぶりを“砂かぶり状態”で堪能することができた。

吉永は「原爆の父」と呼ばれた物理学者を描いた外国作品賞「オッペンハイマー」の贈賞時に、86年から原爆詩の朗読を続ける思いを吐露。「見るのをためらったんですけど心に残った。原子力、原発のことを考えて生きていかないと」と訴えた。加えて、自ら受賞者の作品を見て感じた思いを交えた、心のこもった祝福のメッセージで、受賞者を感動させた。

一方、神木は吉永の方に何度も視線を送り、気持ちを引き出しつつ、自分の思っていることを口に出すよりも、全体をコントロールすることに徹していた様子が伺えた。台本と照らし合わせつつ見ていると、基本的には台本に則りつつ、自らアドリブを加えることよりも、むしろ流れをテンポアップしたい時など、差し障りないレベルで台本の部分、部分をはしょっていた。

それが、最も効果的に表れたのが「侍タイムスリッパー」で主演男優賞を受章した山口馬木也(52)の贈賞時だった。山口の名がコールされた直後から、安田淳一監督(57)が号泣し、神木は檀上から2人の様子を観察していた。そして山口が登壇しても、ステージ下で涙を拭い続けた安田監督と、そんな監督の号泣にもらい泣きした檀上の山口の様子も見ていた。

台本を開きつつ、神木がどう回すかをチェックしていた。すると、神木は司会のトーク部分を一部、カットして、山口と安田監督が涙ながらにトークする、その状況に委ねた様子が見受けられた。授賞式後、神木に確認すると、多くは語らなかったが、記者が指摘したことを大筋で認めた。

二宮と神木は、司会としてタイプは違うが、どちらも見事で鮮やかだった。その裏には、神木は吉永、二宮は倍賞千恵子(82)と、大ベテランの揺るぎない安定感があったのは、間違いないだろう。

1年後は、山口と「あんのこと」「ナミビアの砂漠」で主演女優賞を受賞した、河合優実(24)が司会としてタッグを組む。男優の方が年長になった、この2人の化学反応が、ブルーリボン賞授賞式をどう変えるか…1年後が楽しみだ。【村上幸将】

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