10月に入っても残暑が続き、温かい日々が続きました。
実は10月は、細菌が引き起こす食中毒が最も多く報告されているということをご存じですか?
10月は梅雨の時期と同様に温湿度が高く、夏の暑さにより体力や免疫力が低下。菌に感染しやすい状態なのに、「10月は大丈夫だろう」という油断も食中毒の原因になるのだとか。
食中毒を予防する除菌やお掃除の仕方、またコロナウイルスで気になる効率的な換気方法を、プロの先生に教えていただきました!
菌を「つけない」ために変えるべき習慣は「拭く」ことにあり!
お話をうかがったのは、35年間病院の環境衛生に携わってきた医療環境管理士/健康を守るお掃除士の松本忠男先生。
まず、食中毒予防の三原則は以下の通りです。
・つけない
・増やさない
・やっつける
この中でも「つけない」ことを意識的に行うことがとても大事だそうです。
たとえばキッチンはまな板・スポンジ・調理器具など、汚いものと食材が混在しているため、特に気をつけるべき。
松本先生が調査したところ、ダントツに汚れているのが水道の蛇口だったそう。
「増やさない」ために見直すべきは布タオル!
手をしっかり洗った後や汚れた場所を“拭く”ということ、拭いたものをその都度“捨てる”ということが大事。
布のふきんを使っているという人が多いと思われますが、布ふきんはどこがキレイな面かわからなくなり、無意識に汚い面を触ってしまうことからも菌がつき、汚染が広がるのだそう。
「布を紙にする、拭いたら捨てる、折り返さない、など意識的に行動を変えることが大切です」(松本先生)
※今回使用したのは「Plus+キレイ ハンドタオル(お手ふき・お口ふき用)」
松本先生によると、海外ではペーパータオルが普及しているそうですが、日本の家庭ではそれほど一般的ではないとのこと。
「使い捨てはもったいない!」と思いがちですが、特にコロナ禍においては食中毒菌だけではなくウイルスにも有効な手段です。
除菌効果を高める拭き掃除法
松本先生に、正しい拭き掃除の仕方を伝授していただきました!
正しい拭き方
正しい拭き方は乾いたペーパーでの一方向拭き。汚れを一方向に運び、Uターンしながら吹いていく方法です。
汚れは拭くものの先端につくので、これを集めたまま拭き終わることが重要。
その際にやみくもに力を入れるのではなく、先端に力を込めて密着させると良いそう。
また、「折り方を四角ではなく、V字になるように一折りすることで先端の長さが増え、汚れをV字部分にためながら拭くことができるので効率が良くなります」と、松本先生。
これは布のふきんだと厚みがあり実践しづらいですが、ペーパーであれば簡単にできます。
間違った拭き方
NGな拭き方は、丸を描くように拭いて汚れを撒き散らしてしまう「グルングルン拭き」、左右に繰り返し動かすことでキレイになったような気がするだけの「ゴシゴシ拭き」。
また、布ふきんでの水拭きは菌を塗り広げてしまうので要注意です。
キッチンの換気扇を使用し効率の良い換気を!
コロナウイルスで注目されている、効率の良い換気の方法についても松本先生にうかがいました。
換気には窓を開けつつキッチンの換気扇を使用すると良いのだとか。パワーがあるので、汚染物質を効率良く吸ってくれるそうです。
ただし、汚染物質を全部吸ってしまう恐れのある風下や、ホコリが大量に集まるエアコンの下にいるのはNG。
また人間の呼気は温かく、上の方に汚染物質がたまるため、サーキュレーターなどで空気をかき回すこともNGだそうです。
まずは手に菌をつけないこと、手を拭くものにも注意する必要があると、松本先生。
使い捨てできるキッチンペーパーやペーパータオルなどを使うこと、拭き方の工夫などを、水まわりの新常識として取り入れてみてはいかがでしょうか?
食中毒に対してだけではなく、ウイルス対策としても応用できますよ!