Steam創始者のGabe Newell氏
VRのみならずPCゲームのインディーズからメジャータイトルまで販売しているPCゲーム販売プラットフォームの「Steam」の運営やHTC VIVEと連携し、Oculus等にも対応しているVRプラットフォーム「SteamVR」を開発したValve社が、HTC VIVE向けの新しいコントローラー「Knuckles」を公開しました。
一般向けの詳細な情報は未だ皆無に等しいほど少ないですが、一部の開発者向けにはすでにデベロップメントキット(開発者向けキット)が配布され、どのようなものなのか徐々にわかってきました。
今回はそんな少ない公開された情報をまとめ、「Knuckles」がどのようなものなのかを予想していきたいと思います。
SteamVR対応モーションコントローラー「Knuckles」とは?
PCゲーム販売プラットフォームSteamの運営や、Portalシリーズ、left 4 deadシリーズ、half-lifeシリーズの開発などでもおなじみのValve社がHTC VIVE向けに開発を進めるモーションコントローラーです。
2016年の10月に開催されたSteamのゲーム開発者向けに行われたイベント「Steam Dev Days」において、そのプロトタイプの存在が明らかになり、6月10日には開発者に向けての開発キットの配布、そしてその使い方のガイドがネット上に公開されました。
その形状は同様にVR向けのモーションコントローラーとして発売された腕に通すわっかのような形状がOculus Touchの様にも見えますし、持ち手の部分はHTC VIVEの初めからついているモーションコントローラーにも似ています。
果たしてどのような新機能が付いているのでしょうか?下で紹介したいと思います。
指を個別に識別できる新技術
前々から噂になっていたSteamVR対応モーションコントローラー「Knuckles」の新機能は今回、Steamで公式に発表された開発者向けガイドでその全貌が伺えるようになりました。
「Knuckles」には持ち手の部分にセンサーを内蔵し、小指、薬指、中指、の動きを感知します。そして、人差し指にはトリガー部分に、親指にはトラックパッドの付近に指を感知するセンサーが内蔵されているようです。
これにより、「Knuckles」では、指一本一本の微細な動きまでもがハンドトラッキングされるようになりました。
「Knuckles」で出来ること
「Knuckles」では、指一本一本の微細な動きまでもがトラッキングできるようになりました。
この手の動きをトラッキングできるコントローラーは「Oculus Touch」にも似ていまが「Knuckles」では「Oculus Touch」と違い、手の指五本すべてをトラッキングすることが出来、掴んだものを「離す」という動きも出来るようになっています。
これは、手の甲にコントローラーを固定するバンドを使った特殊な形状によるものだといえます。
この動画の27秒当たりでそのバンドに固定する様子が収められていて、「持つ」コントローラーというよりは手にはめるコントローラーという表現が一番近いように感じます。
もちろん指をトラッキングし、棒のような形状の部分を掴むという従来のコントローラーの操作も可能です。
また、ボタン一覧の画像をもう一度見ればわかるように、従来のHTC VIVEのトリガーボタン、メニューボタン、そして親指で操作するトラックパッドは健在です。
なのでVR空間上で手の実在感を感じながら、トラックパッドを使って移動したり、銃を撃つゲームでトリガーボタンを使ったりなどのHTC VIVEの従来のコントローラーの操作感はそのままに、うまく指の動きをトラッキングできるように進化したコントローラーだと感じます。
Steamの公式ガイドに記されているコントローラーのペアリング方法を見ても、難しいセッティングや、新規にセンサーを購入する必要もなさそうです。
HTC VIVEのモーションコントローラーやOculus Touchのようにボタンを同時押しするだけでペアリングができるようになるといった記載が見つかりました。
VIVEユーザーにはおなじみのSteamVRのインジケーターですが、現在のところ「Knuckles」では新規のアイコンが導入されているようで、通常のHTC VIVEのコントローラーが接続された時の表示とは異なるみたいです。
USBの給電ポートがHTC VIVEのモーションコントローラー同様にコントローラー下部についていてここからマイクロUSBケーブルで充電することが出来る模様。一回の充電で三時間使用可能で、チャージは約一時間で完了できるみたいです。
コントローラー中腹にはステータスLEDがあり、上部のほうに設置されていたHTC VIVEのコントローラーよりは少し下あたりに変更されています。
インジケーターの表示は以下の通りになっていて、
青、赤、白の三色の発光パターンでコントローラーの状態がすぐにわかるようになっています。
気になる発売日・値段は?
そして、やはり気になるのは発売日ですが、現在開発者向けキットを主要なVRゲーム開発チームに配布しているのみで、開発キットの一般販売や、一般向けの完全版の販売の情報などは一切ありません。
「Knuckles」のガイドページは、Steamのコミュニティハブでの公開のため、一般ユーザーもご覧になることが出来ますが、その本体を手にすることはまずできないでしょう。
情報も非常に少ないため、詳しいスペックや使い心地などは開発キットを手に入れた一部の開発者の動画を見るしかありません。
値段はおそらくOculus Touchの様に2~3万前後、発売日は今年の年末か、来年になるのか開発中のデバイスのためもしかしたら発売自体がなくなってしまう可能性もあります。
しかし、モーションコントローラーの操作性では「Oculus Touch」が一人勝ちしているという現状をそのまま続けるとも考えられないので、何らかの新しい発表が年内中にはありそうですね。
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