おしっこサインに気付ける飼い主になろう
飼い主さんにとって大切なしつけのひとつが、トイレトレーニングです。しっかりと行わないままにしてしまうと、愛犬は自分の好きなときに好きな場所で排泄をしたり、場合によってはわざと粗相をするようになることもあります。
そうなると、愛犬は人間社会の中で暮らしづらくなります。飼い主さんが気にしなくても、近所の人々が不快な思いをし、トラブルの原因になってしまうからです。いつでもどこでも周囲の人々に受け入れられるような犬にしてあげるのが、飼い主さんの責任です。
そのためにも、飼い主さんは愛犬がおしっこをする前に見せる行動を知る必要があります。愛犬がおしっこサインを見せたタイミングでトイレに誘導し、失敗せずにトイレで排泄させることでトイレの場所を教えられるからです。
犬がおしっこ前に見せる行動
今回は、多くの犬によく見られる「おしっこ前に見せる行動」をご紹介します。これらの行動を参考にして愛犬のおしっこサインを見つけ、根気よくトイレトレーニングを行いましょう。
1.そわそわと落ち着きのない行動を見せる
多くの犬が、おしっこをする前にそわそわと落ち着きがなくなります。これは、膀胱のあたりがいつもと異なる感覚になるため、その違和感や出したいという気持ちから出る行動なのかもしれません。
私たちも、例えば人と話をしている最中や授業中、会議中などに尿意を催すと、そわそわと落ち着きがなくなります。それを悟られまいと必死に繕った経験のある方も多いのではないでしょうか。
犬の場合も同じで、そわそわと落ち着きがなくなってウロウロしたり、自分のお尻を気にしたりする素振りが見られたら、優しくトイレに誘導し、シートの上で排泄するように促しましょう。
2.くるくると回り始める
おしっこをする前に、その場でくるくると回り始める犬も多いです。尿意を催した場所で回り始める犬、トイレシートの前で回り始める犬、トイレシートの上で回り始める犬と、回る場所は犬によってさまざまなようです。
排泄するための体勢を整えたりどこにするかを探ったり、というような意図があるようです。
ただし、シートの上で回り続けた結果、シートがグシャグシャになって床を濡らしてしまうこともあるので注意が必要です。飼い主さんの合図で排泄できるようにしてあげましょう。
3.トイレ前で飼い主さんを見上げる
自分からトイレシートの前まで行くものの、手前で立ち止まり飼い主さんを見上げる犬もいます。この場合、飼い主さんからの許可を求めている可能性が高いです。飼い主さんの合図で排泄するようにトレーニングをしている場合は、すぐに合図を出してあげましょう。
4.ウンチングスタイルをとる
オスの場合、おしっこをするときには片足を上げて、ウンチをするときには後ろ足をかがめてお尻を地面に近付けた姿勢で排泄をします。しかし、メスはオスがウンチをするときと同じ姿勢でおしっこもウンチも行います。
メスがこのスタイルを見せた場合は、排泄したいというサインの可能性が高いです。
また、オスでもウンチングスタイルでおしっこをする子もいます。中には突拍子もない姿勢で排泄する子もいます。愛犬の排泄時の姿勢もチェックしておきましょう。
5.真剣に地面のニオイを嗅ぐ
ここまでは室内での排泄を中心に話を進めてきました。ここでは、外でのおしっこサインについてです。
犬は自分が通った道に「ここは私が通ったよ!」という印を残します。これがマーキングで、印にはおしっこを使います。木や草むら、塀などにおしっこをかけ、そのニオイで周辺の犬たちと情報を交換しているのです。
お散歩中に木や草むらなどに近づき、真剣に地面のニオイをクンクンと嗅ぎ始めた場合は、他の犬が残したニオイから情報を読み取っています。そして自分のニオイも残そうと、おしっこをします。
マーキングは犬の習性なのでやめさせるのが難しいと思いますが、愛犬の気を逸らす等の工夫でマーキングを防ぎましょう。しつけで防ぐのが難しい場合は、マナーパンツの着用も検討しましょう。
トイレトレーニングを失敗しないために!
トイレトレーニングの成功の秘訣は、愛犬が安心して排泄できる環境を整え、失敗させないように愛犬を誘導し、成功したら褒めることです。
とは言え、絶対に失敗させないというのは無理でしょう。そんなときに気を付けたいのが、失敗しても叱らないことです。
犬にとって、トイレで排泄することは常識でもなんでもありません。そのため、「排泄すると叱られる」と勘違いしてしまい、排泄を我慢したり隠れて目立たない場所でするようになってしまうことがあります。
中には、叱っている飼い主さんを「喜んでいる」と勘違いする犬もいます。喜ばせようと、わざとトイレを失敗するようになってしまうこともあります。また汚いトイレを使いたがらない犬もいるので、トイレはこまめにきれいにしましょう。
犬が粗相する原因は、トレーニング不足だけではありません。興奮しすぎて犬自身も気づかずにおもらししてしまう「興奮性排尿(いわゆるうれション)」や、恐怖心のあまり最大限の服従を示して排尿してしまう「服従制排尿」という行動もあります。
また尿道括約筋や膀胱の異常、避妊手術後のメス犬に多いホルモン反応性尿失禁というような、病気が原因の場合もあります。トレーニングではなかなか改善できない場合は、動物病院に相談することも大切です。
まとめ
今回は、犬がおしっこ前に見せる行動について解説しました。
トイレトレーニングは、犬が人間社会の中に受け入れられて幸せに暮らすために欠かせないものです。飼い主さんには、愛犬を適切な場所とタイミングで排泄できるようにする義務と責任があるのです。
そのためには、その子の性格や癖をしっかりと把握し、その子に合わせて失敗しない環境を作った上で、腰を据えてトレーニングをする覚悟が必要です。トレーニングを成功させるためにも、愛犬のおしっこサインを読み取れるようになりましょう。
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