ドッグカフェとは?
ドッグカフェとはどのようなお店でしょうか?
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ドッグかカフェとは飼い主さんたちが、飼っているワンちゃんと同伴で入ることのできるカフェの事を言います。
猫カフェの場合はカフェ内に猫が飼育されていてその猫たちと戯れることができるものです。これと異なり、ドッグカフェは基本的にはワンちゃん同伴で入ることのできるカフェの事です。
散歩しながら少し休憩したいと感じる飼い主さんたちは多いでしょう。しかし、通常の喫茶店や飲食店はペット同伴不可です。これは衛生管理上仕方のないことですね。
「ワンちゃんを連れていてもカフェに入りたい」「他のワンちゃんや飼い主さんとの交流を楽しみたい」そんな願いが実現されたものがドッグカフェです。
わたしたち人間用の食事や飲み物だけでなく、ワンちゃんの飲み物なども用意されている場合が多く、飼い主とワンちゃんが一緒になって楽しむことのできる素敵なカフェなのです。
ドッグカフェを開店させるために必要な資格
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「ワンちゃんが大好き」「ドッグカフェが大好き」これはドッグカフェを開くうえでとても大切なことですね。ただ、こうした気持ちだけでは開業には至りません。
資格を取得し、責任を負うことができて初めて開店することができるのです。それではドッグカフェ開店のために必要な資格をご紹介させていただきます。
食品店営業許可
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ドッグカフェを開店するためには食品を作って販売する許可をもらわなければいけません。この営業許可を申請するにあたって、食品衛生責任者を決めなければいけません。
衛生的な管理運営をするために、施設ごとに食品衛生責任者もしくは、食品衛生管理者を1名以上置かなければなりません。
・食品衛生管理者
乳製品、食肉製品、食用油等、特定の食品を製造する施設に1名置く必要があります。ハムやベーコン、チーズなどの加工食品を製造する場合には「食品衛生管理者」が必要です。
ドッグカフェでこうした事をすることはほとんどないでしょうから、通常「食品衛生管理者」は必要ありません。
ドッグカフェの営業許可を取るためには「食品衛生責任者」を1名置かなければならないのです。
食品衛生責任者
食品衛生責任者の役割はドッグカフェにおいて食中毒や食品衛生法違反を起こさないように、食品衛生上の管理運営を行うことです。食品衛生責任者の資格を取得する単には都道府県で実施される講習を受講する必要があります。
栄養士、調理師、製菓衛生士、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、食品衛生管理者、食品衛生指導員、食品衛生監視員などの資格を持っている方は、講習会を受けなくとも食品衛生責任者になることができます。
防火管理者
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飲食店営業許可には防火管理も必要になってきます。防火管理者は飲食店やデパート、企業などの多くの人が利用する建物などの火災による被害を防止、また被害を最小限に抑えるために「消防計画書類」を作成します。それに基づき、防火に関する必要な管理業務を行う責任者になります。
防火管理者の資格にはいくつかの種類があり、条件に応じた防火管理者を置かねばなりません。この管理者資格は消防署や防災訓練センターで受講することが出来ます。
第一種動物取扱業
補足的に「第一種動物取扱業」についてもご説明させていただきます。通常のドッグカフェは、お客さんのワンちゃんが連れてこられて、休憩したり飲食を楽しんでもらったりするだけの場所です。
もしあなたが望むドッグカフェが猫カフェのようにお店側でワンちゃんを何匹か用意したいなら、この第一種動物取扱業が必要となってきます。
第一種動物取扱業には7種類の区分があり、販売、保管、貸出、訓練、展示、競り斡旋、譲受飼養に分かれています。
通常のドッグカフェでは必要ありませんが、「ワンちゃんを預かりたい」「お店で飼っているワンちゃんをお客さんに見せたり、ふれあい提供させたりしたい」場合は、この区分の「保管」「展示」が必要になってくるわけですね。
この第一種動物取扱業を取得するためには「動物取扱責任者」を設けなければいけません。
動物取扱責任者
動物取扱責任者とは独立した資格ではなく、第一種動物取扱業者に選任されて初めて「動物取得責任者」となれるのです。動物取扱責任者となるためには、3つの要件のいずれかを満たしていなければなりません。
1.第一種動物取扱業の同一種別での半年以上の実務経験がある
2.第一種動物取扱業の同一種別に係わる知識及び技術について1年間以上教育する学校法人やその他の教育機関を卒業している
3.第一種動物取扱業の同一種別に係わる知識及び技術を取得していることの証明を得ている(動物飼育管理士・小動物飼養販売管理士・トリマーなど)
専門的な知識と経験がある方がこの動物取扱責任者となれるのですね。基本的なドッグカフェには必要ない資格ですが、「お店側のワンちゃんと触れ合ってほしい」という方はこの資格を持っている方を雇う必要があるのです。
ドッグカフェ開店までの手続き
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ドッグカフェ開店に必要な資格をご紹介することが出来ました。これから実際にドッグカフェを開店させるまでの大まかな流れや手続きをご紹介したいと思います。
計画・相談
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まず、十分な調査を行うようにしましょう。必要な資格や書類は当然ですが、ドッグカフェを事業として成功させるための調査も必要でしょう。開業したものの、すぐに潰れてしまってはがっかりですからね。事前の調査は大切です。
必要な資格を取得したり、そうした資格を有する人員を確保したり出来たなら、次は**保健所との相談**です。
ドッグカフェをオープンする所轄の保健所に事前相談するようにしましょう。事業計画や店舗の図面なども持って行って内容を伝えるようにしましょう。**様々なアドバイスをしてくれる**ことでしょう。
この保健所への事前相談は必ず行ないましょう。そうすることで、許可申請する時に図面や計画の修正を求められることがないようにできます。
「飲食店営業」もしくは「喫茶店営業」届を申請する
ドッグカフェの場合、「飲食店営業」か「喫茶店営業」のどちらかの営業届を提出することになるでしょう。この2つの違いはどのようなものでしょうか?
飲食店営業とは食品を調理、または設備を設けて客に飲食をさせる営業の事です。多くの方が考えている飲食店がこの飲食店営業ですね。
喫茶店営業とは、飲食店営業よりも簡素な許可という認識で良いと思います。飲食店営業と違って、アルコール類の提供はできません。また店内調理のフードを提供することも出来ません。**提供して良いものはアルコール類以外の飲み物と茶菓だけ**です。
**喫茶店営業許可のほうが取得のハードルが若干低い**ため、取得しやすい**メリット**があります。
しかしながら、計画しているドッグカフェで軽食メニューを提供したいならば、**飲食店営業許可を取得する方が良い**でしょう。
多くの「喫茶店」と名前のつくお店でも実際は飲食店営業許可を取得しており、軽食を提供していますよね。大抵のお客さんもそのようなメニューを望みますので、「飲食店営業許可」届を提出することがお勧めです。
審査
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営業届を提出したならば、審査があります。保健所の方の立ち合いのもと審査が行われるでしょう。店舗の説明を行ないます。合格するまでは営業することが出来ません。
営業許可書交付
審査に合格するならば営業許可証を交付してもらえます。この営業許可証を取得できたならドッグカフェオープンも間近です。
開業届提出
事業を開始した後になるべく早く開業届を税務署に提出するようにしましょう。個人の場合は、事業開始月から1か月以内に開業届・青色申告承認申請書・給与支払事務所等の開設届出書などを提出しましょう。
法人で行う場合は、設立後2カ月以内に法人設立届出書・青色申告承認申請書・棚卸資産の評価方法の届出書・減価償却資産の償却方法の届出書・給与支払事務所等の開設届出書などを提出するようにしましょう。
健康保険・厚生年金保険、源泉所得税の納期の特例承認に関する申請、労働保険なども必要に応じて手続きする必要があるでしょう。