はじめに
ユニークな街づくりで活気づく台中。かつては工業用地だった場所に建つホテル「浮雲客棧Kloud hotel」は、その好例。ショベルカーを彷彿とさせるスーツケース収納ロボットなど、最新のテクノロジーを活用したサービスを提供し、話題を集めてきました。この人気ホテルから届いた最新情報は、館内レストランの特別メニュー。秋のフレンチの醍醐味・ジビエ料理の登場です。
目指しているのはエコロジー、テクノジー、カルチャー、ホスピタリティの具現化。


機械化によるスムーズさもホスピタリティのひとつ。


細やかなマニュアルで、五つ星ホテルに迫る高水準のサービスを提供。
また住宅事業での成功は、四つ星級ホテルの運営を可能にし、我が家に帰るような体験と価値あるサービスを提供するホテルとして支持を集めてきました。“ホテルが持続可能であるためには、文化と言葉が重要である”という考えから、セクションごとにSOP(標準作業手順書)を作成。明確なマニュアルによって、すべてのスタッフが高水準のサービスを提供できる体制を整えています。四つ星級のクオリティを保ちながら、価格は手頃で身近な存在…オーナーの林志明氏は、そんなホテルであると自信と誇りを持って語ります。「我々のサービスは五つ星級に近づいており、客室内のすべての設備は十分に機能的です。ですが、ここは高級ホテルはないし、またバックパッカー向けの宿でもない。幅広い客層に対応していますが、特にファミリー層に満足していただけると思います」。

ファミリータイプの客室は、動線を考えた設計でノーストレス。


開放感ある空間で、台湾の食材を巧みに取り入れたフレンチを。
最上階にあるレストラン「LCM萊可曼法式餐廳」では、2022年8月7日の立秋から秋の新メニューがお目見え。高層階ならではの眺望、広々とした空間設計も魅力のレストランでいだたけるのは、洪正育料理長によるフランス料理。台湾の地元の食材を使った幸福感あるメニューが並びます。
秋冬シーズン待望のジビエ料理は、希少な鹿のヒレ肉。
秋冬のフレンチの醍醐味といえば、ジビエ料理。シェフがメインに選んだのは鹿肉です。今回採用したのは、ニュージーランド産の鹿のヒレ肉。一頭の鹿から二人分しか取れない希少部位をミディアムレアに焼いて、龍眼のソースをとろり。栗のピューレ、アスパラガス、食用花を飾り付けたら、今シーズンの主役「鹿肉のオーブン焼き ブランデー入り栗のピューレ・龍眼ソース添え」の完成です。
満足度大!アイデアあふれるシェフ渾身のプレートが並ぶコース料理。
コース料理は、アミューズの宜蘭産の赤エビの柚子胡椒、大甲産のとタロイモボールトリュフ オイルがけから始まります。それからキャロットバターでいただくパン、ヒメマツタケのサラダなど選べるオードブル、スープ、メンマ入りリゾット、桃のソルベと続いたあと、メインディッシュの鹿肉が登場します。デセールは、アイスクリームまたはティラミス。そしてフレンチならではのお楽しみ・プチフールには、ウイスキーフルーツシュー、文旦とサンザシのマシュマロが供されます。シュークリームは、ウイスキーサワーに着想を得た一品で、ウイスキーにレモンと晶鑽パイナップルソースを加え、果実の酸味を効かせたクリームが特徴的。また、フランス風マシュマロは、中華圏の昔ながらのお菓子・サンザシ飴にヒントを得たもの。サンザシには消化を助ける効果があるといわれ、食後の甘味にぴったりなのだそう。
飲み物は、コーヒー類のほか、阿里山の蜜香紅茶や高山青茶が選べるところが台湾ならでは。また、メインディッシュは、ダッグ、季節の魚、ロブスター、牛ヒレ肉など、多彩なメニューが揃っています。いずれも台湾と海外の食材を共演させたシェフの傑作。思いがけない味との出合い、それもおもてなしの心の現れといえるでしょう。台中滞在の折には、秋を感じるジビエ料理をぜひ。
◆浮雲客棧Kloud hotel
住所:台中市西屯區西安街277巷59號
電話:+886-4-2706-5855