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アラスカ航空のワンワールド入りで何が変わるのか?【橋賀秀紀のフカボリ!】


アラスカ航空

みなさんこんにちは。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀です。2月13日、アラスカマイラー(アラスカ航空マイレージプランでマイルを貯める人)にとって衝撃的なニュースが飛び込んできました。



アメリカン航空とアラスカ航空、提携強化 アラスカ航空はワンワールド加盟

https://www.traicy.com/posts/20200213144145/




これまで、アライアンスとは距離を置き、独自の提携路線を貫いてきたアラスカ航空がワンワールド加盟を発表したのです。加盟は2021年夏を予定していますが、その前にアメリカン航空とアラスカ航空の提携が強化されることになります。実はアラスカ航空とアメリカン航空のマイレージ提携は2月29日をもって終了することになっていました。それが土壇場となってひっくり返る形となったわけです。



さて、両者の提携ですが、日本人からしてみればアラスカ航空がワンワールドに加盟することに大きなメリットはないでしょう。しかし、筆者のようなアラスカマイラー立場からみると、大きな影響があるといえます。そこでポイントをいくつかまとめてみました。


ワンワールド加盟航空会社以外の離脱




2021年夏にアラスカ航空がワンワールドに加盟すれば、他のアライアンスに加盟する航空会社とのマイレージ提携は解消される可能性が高いと言えます。現在、マイレージプランの提携航空会社のうち、スターアライアンスに加盟しているシンガポール航空と、スカイチームに加盟している大韓航空が該当します。アラスカ航空のマイレージプランのマイルを持っている人は今のうちにこれらの航空会社の特典を利用したほうがよさそうです。



例えば、東京→シンガポール航空ビジネスクラス→シンガポール(24時間以内の滞在)→北京→シンガポール航空ファーストクラスの片道特典が75,000マイル(全区間ビジネスクラスの場合は60,000マイル)で発券できるのはお得な特典といえます。なお、シンガポール航空の新型スイートの特典はアラスカ航空のマイルでは予約することができません(シンガポール航空のクリスフライヤーのマイルでも日本路線の新型スイートは予約が事実上できないので当然といえば当然ですが)。また、5月1日にワンワールドを脱退する予定のラタム航空も、噂通りスカイチームに加盟することになれば同様の扱いとなりそうです。


ワンワールド加盟各社の搭乗でアラスカ航空のマイルを獲得できる




現時点でワンワールドに加盟しながらアラスカ航空とマイレージ提携のない航空会社として、マレーシア航空、カタール航空、イベリア航空、S7航空、スリランカ航空、ロイヤルヨルダン航空が挙げられます。このうち特に気になるがカタール航空です。カタール航空とエミレーツ航空は競合関係にありますが、はたしてワンワールド加盟後もエミレーツ航空は提携を続けるのか、それとも解消するのか。もし提携を続けるとなると、かつてスカイチームに中国東方航空と中国南方航空が加盟していたように、中東系のエアラインについては非常に充実したネットワークとなるでしょう。カタール航空のワンワールド離脱はいままで何度も噂されているので、どうなるかは未知数ですが…。


JAL特典の選択肢が増える?


日本航空(JAL)

アラスカ航空は2016年12月から、日本航空(JAL)とマイレージ提携を開始しましたが、JALの国際線の特典が発券できるのはアジア内かアジアと北米間に限られています。そのため、日本とヨーロッパや日本とオセアニアを結ぶJALの特典を発券することはできません。アラスカ航空がワンワールドに加盟すればこの「縛り」が解消される可能性が高いといえます。


サファイア・エメラルド修行が変わる?




アラスカ航空は2019年秋のいわゆる「改悪」で、デリー⇒(JALビジネスクラス)⇒東京(途中降機)⇒(JALビジネスクラス)→バンコクなどで25,000マイルといった利用ができなくなりましたが、それでもJALのアジア内のビジネスクラス特典は25,000マイルで燃油サーチャージも課されないなど、特典の必要マイルの少なさが目立ちます。



マイル積算率も、例えばブリティッシュ・エアウェイズのビジネスクラスでは250%(予約クラスがⅠクラス)と非常に高いのが特徴といえます。しかし、アライアンスに加盟していないため、仮にアラスカ航空の最上級会員となっても、ワンワールド加盟各社に乗るときには、原則として通常会員と同じ扱いにしかなりません。これがワンワールド加盟によって、サファイア、エメラルド会員になれるのであれば、アラスカ航空も単にバイマイルやクレジットカードのポイント移行先として利用されるのではなく、マイル修行のプログラムの有力な選択肢となるのではないでしょうか。



ちなみに現状では、MVP Goldが年間50,000マイル、MVP Gold 75Kが年間90,000マイルの搭乗が条件となっており、アラスカ航空の搭乗実績は求められません。アラスカ航空のみで達成する場合、MVG Goldが同40,000マイル、MVP Gold 75Kが同75,000マイルですが、日本人には厳しい条件と言えます。利用便数をカウントする方法もあり、MVP Goldが60便、MVP Gold 75Kが90便です。



なお、ワンワールド加盟のタイミングでアラスカ航空のマイル積算条件などが改悪されてしまうリスクですが、これについては現時点では予想ができません。しかしワンワールドに加盟したとしてもアラスカ航空が相対的に”マイナーなプログラム”であることには変わりなく、他社よりはよい条件であり続ける可能性は高いといえるのではないでしょうか。



THE POINTS GUYの記事によれば、アラスカ航空は当面エミレーツ航空などアライアンス外の航空会社との提携を続けるとしています。
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