フレームやエンジンが一新された第5世代の最新フォルツァに試乗。撮影も含めて短時間ながら、サクッと100マイルを快走した。市街地から高速移動まで乗り心地と使い勝手はとても良い。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO ●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ・フォルツア.......658,900円
かつてはヤマハ・マジェスティと共に250cc本格派スクーターの人気を牽引したホンダ・フォルツァ。このライバル関係は走りのポテンシャルはもちろん、快適な操縦安定性や様々なユーティリティに至るまで、全てにわたって大きな進化をもたらしてきた。
現在ヤマハの商品はXMAXに移行。スズキのスカイウェイブはラインナップから消滅してしまっており、フォルツァはこのカテゴリーの代表格的存在になっている。
今回試乗したのは3月25日に新発売されたモデル。先代デビュー以来2年10ヶ月でフルモデルチェンジとなる。先代の販売計画台数が国内年間で3,000台。今回の最新型は2,000台で計画された所を見ると、市場の縮小を物語っている様にも思われるが、本体価格据え置きで新投入されている所に新型に込めるホンダの意気込みと誠意が感じられる。
新しくなったポイントについては、既報の通りだが、新デザインのパイプアンダーボーンフレームには新世代環境対応スクーター用エンジンのeSP+を搭載。先代エンジンとの比較でボアは1mm小さく、ストロークは2.2mm 長い67×70.7mmに変更。
先代エンジンはほぼスクエアに近かったわけだが、少しロングストローク・タイプの249ccへ一新されている。水冷SOHCの4バルブヘッドも吸排気ポート形状を一新。吸排気及び燃焼効率が追求され、フリクションロスの低減化も徹底されたのである。
また、高性能エンジンに採用例のあるピストンオイルジェットを新採用。これはコンロッドの大端脇からピストンの内側に潤滑オイルを噴射するシステムの事。
高負荷時の燃焼温度上昇に対してより安定した冷却性能が期待でき、一段とレベルの高い高性能の発揮(追求)を可能としている。
この他、ラジエター搭載位置が燃料タンク前方に移設され、冷却性の向上と前後重量バランスの熟成を両立。先代モデルよりも若干フロントヘビーにセッティング変更された点も見逃せない。
装備面の充実ぶりも魅力的で、フロントの電動スクリーンは可動域が従来の140から180mmへ拡大。空力特性とウインドプロテクション性能も進化させている。
そしてオプションのトップケース(35L容量)には、スマートキー連動タイプが設定され、ユーザーの使い勝手が一段と良くなっているのである。
走りと使い心地の良さは、まさにオールマイティ!
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
車名・型式:ホンダ・2BK-MF15
全長(mm):2,145
全幅(mm):750
全高(mm):1,360
軸距(mm):1,510
最低地上高(mm):145
シート高(mm):780
車両重量(kg):186
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):41.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):33.2〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.4
エンジン型式:MF15E
エンジン種類:水冷4ストロークOHC 4バルブ単気筒
総排気量(cm3):249
内径×行程(mm):67.0×70.7
圧縮比:10.2:1
最高出力(kW[PS]/rpm):17[23]/7,750
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):24[2.4]/6,250
始動方式:セルフ式
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
燃料タンク容量(L):11
変速機形式:無段変速(Vマチック)
キャスター角(度):26°30′
トレール量(mm):89
タイヤ(前/後):120/70-15M/C 56P / 140/70-14M/C 62P
ブレーキ形式(前/後):油圧式ディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 / ユニットスイング式
フレーム形式:アンダーボーン
製造国:タイ
⚫️試乗後の一言!