橋本洋平さんは、予算300万円までならスズキ・ジムニー、予算600万円までなら三菱アウトランダーPHEV、そして予選無制限ならランドローバー・ディフェンダーをおすすめSUVとしてセレクト。特にアウトランダーPHEVは、走りの良さに加えて、野外で使える100V・1500Wの外部給電システムがお気に入りだ。
TEXT●竹岡圭(TAKEOKA Kei)
予算300万円までなら「スズキ・ジムニー」
本格クロカン4駆として長年人気のスズキ・ジムニーは、あえてシエラじゃなく軽自動車バージョンを推したい。
軽量コンパクトなボディで、どんな悪路でもグイグイ走破して行くその実力は、軽自動車でなければ達成できない世界観。以前、オフロードコースでその走りを満喫したことがあるが、普通車ではクリアできないようなシーンを次々に乗り越えて行く姿に魅了されてしまった。またある時は、とある試乗会でビッグセダンが雪道でスタックしたのを、見事に一瞬で引っ張り上げていたのだ。小さいながらも力強さがある意外性、それが惚れ込む理由である。
予算600万円までなら「三菱アウトランダーPHEV」
エクリプスクロスが新しくなったことで、ようやく他車への展開が始まった三菱のPHEV。だが、やはり元祖となるのはアウトランダーだ。
2012年の登場以来、改良に改良を重ねたボディと足回り、さらに4輪駆動システムは、舗装路から氷上まであらゆるステージで自在に操れる懐の深さと、乗り心地の良さを実現。駆動で曲げて行く感覚を得られる数少ない存在に感じている。
そんな走りの良さに加えて、野外で使える100V・1500Wの外部給電システムがあるのだから有難い。以前、撮影でそれを使い、実際にホットプレートを持ちだしてバーベキューをしてみたが、気軽に電気が野外で使えることの有難みを痛感。これならアウトドアだけでなく、いざという災害時にも役立つこと間違いなし! まさに全方位で使えるSUVだ。
予算が無制限なら「ランドローバー・ディフェンダー」
生まれ変わったとはいえ、先代のイメージをうまく受け継いだディフェンダーは、一見しただけで心惹かれた。乗れば全幅約2m、全長約5mの巨体に戸惑いを感じたが、意外にも車両感覚は掴みやすいし、カメラも備わっているから扱いにくさが無かったことが好感触。
フレームからモノコックへと移行した造りも、オンロードにおけるリニアな動きに繋がっていて、ほぼオンロードしか走ることのない僕からすれば有難いと思えた。けれども、スポーティ仕立てじゃなく、あくまでストロークを使って悪路を走破してやろうという狙いがあるためか、どんなシーンでもユッタリとした乗り味があったことが嬉しい。
ホイールベース約3m、車重2.3トンが生み出すクルーザー感覚は、クセになりそうな乗り心地だ。
『予算別おすすめSUV・3選』は毎日更新です!
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。
※今回の企画では、最も安いグレードの価格が300万円以下のSUVは「予算300万円まで」、同じく最廉価グレードが600万円以下なら「予算600万円まで」に分類しています。