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【毎日更新】気持ち良いエンジンの3台を選ぶ(萩原文博編):日産マーチ NISMO S/メルセデス・ベンツ G350d/ルノー・メガーヌR.S.トロフィー


今や絶滅の危機に瀕している「ホットハッチ」という言葉が似合う日産マーチ NISMO S。スズキ・スイフトスポーツとの大きな違いは、自然吸気エンジンだということ。MTのみという割り切りも硬派で、レッドゾーンまでエンジンを回す楽しみが味わえると萩原文博さんもお墨付きだ。




TEXT●萩原文博(HAGIWARA Fumihiro)

1台目:日産マーチ NISMO S【エンジン:HR15DE】

日産マーチ NISMO S

2020年7月16日に一部改良を行い、インテリジェントエマージェンシーブレーキをはじめとした運転支援システムを全車標準装備化した日産マーチ。その中で、初代のスーパーターボや3代目に設定されていた12SRといったホットハッチの系譜を受け継いでいるのがNISMO Sです。




現行型マーチの標準モデルに搭載されているミッションはCVTのみですが、走りにこだわったNISMO Sは5速MTのみというこだわりも感じますし、リーズナブルな価格(187万6600円)も魅力です。




マーチ NISMO Sに搭載されているのは、専用コンピューターでチューニングされたHR15DE型1.5L直列4気筒自然吸気エンジン。ハイオク仕様で、最高出力は116ps、最大トルク156Nmを発生します。数値は驚くモノではないですが、マーチニスモSはこの116psを使い切る楽しさが魅力なのです。赤く塗られたタコメーターの針をレッドゾーンまで回す楽しさは自然吸気エンジン+MTでしか味わえない気持ち良さです。




スイフトスポーツは1.4Lターボですし、ヤリスは1.5L直3なので、かつて主流だった直列4気筒自然吸気エンジン+MTという組み合わせは稀少な存在と言えるでしょう。

HR15DE(日産マーチ NISMO S):直列3気筒・総排気量1498cc・最高出力116ps(85kW)/6000rpm・最大トルク156Nm/3600rpm

2台目:メルセデス・ベンツ G350d【エンジン:OM656】

メルセデス・ベンツ G350d

高出力と低燃費を両立したパワートレインはさまざまありますが、個人的に最も興味があるのがディーゼルターボエンジンです。国産メーカーではマツダと三菱しか用意されていませんが、多くの輸入車メーカーがディーゼルターボエンジンを設定しています。




そのなかでベストディーゼルエンジンと言えるのが、G350dなどに搭載されている3L直列6気筒ディーゼルターボエンジンです。最高出力286ps、最大トルク600Nmというスペックも素晴らしいですが、とにかく静粛性の高さ、そしてスムーズな加速フィールはディーゼルエンジンなのかと考えてしまうほどの実力です。




アダプティブクルーズコントロールを使用したイージーなロングツーリングから、タフな悪路走行までどんなシーンでも安定したパワーを発生する直6ディーゼルターボエンジンは憧れです。

OM656(メルセデス・ベンツ G350d):直列6気筒ディーゼルターボ・総排気量2924cc・最高出力286ps(210kW)/3400〜4600rpm・最大トルク600Nm/1200〜3200rpm

3台目:ルノー・メガーヌR.S.トロフィー【エンジン:M5P】

ルノー・メガーヌR.S.トロフィー

最高出力300ps、最大トルク420Nmを発生する1.8L直列4気筒ターボエンジン。スペックを見るだけならば驚くべき数字ではないでしょう。しかし、ルノー・メガーヌR.S.トロフィーに乗ると、この数字以上の速さと楽しさを味わうことができます。




そしてこの抜群のフィーリングを実現するエンジンに組み合わされるミッションは6速MTと6速EDC(AT)。スポーツ走行ならばMTという考えがちですが、6速EDCは素早く正確なシフトチェンジが行えて、ドライバーはステアリング操作に集中できるので、6速EDCで十分堪能できます。




このエンジンのパワーを楽しめるのはシャシー性能そしてサスペンションの味付けに加えて、4コントロールというデバイスのおかげ。いくらハイパワーなエンジンを搭載してもシャシー性能やサスペンションの味付けが良くなければ、速くて、運転していて楽しいクルマには仕立てられないということを教えてくれるクルマです。

M5P(ルノー・メガーヌR.S.トロフィー):直列4気筒ターボ・総排気量1798cc・最高出力 300ps(221kW)/6000rpm・最大トルク400Nm/3200rpm

【近況報告】


自粛ムードが続いていましたが、6月の中旬から規制はあるものの試乗会の開催も開催されるようになりました。最近乗ったクルマの中ではフィットの出来の良さが印象に残っています。




【プロフィール】


大学在学中に某中古車専門誌編集部のアルバイトをきっかけに自動車業界デビュー。2006年からフリーランスとなり、新車の撮影に明け暮れる自動車ライター。

『気持ち良いエンジンならこの3台』は毎日更新です!




内燃機関は死なず! 世の中の流れは電動化だが、エンジンも絶えず進化を続けており、気持ちの良いエンジンを搭載したクルマを運転した時の快感は、なんとも言えないものだ。そこで本企画では「気持ち良いエンジンならこの3台」と題して、自動車評論家・業界関係者の方々に現行モデルの中から3台を、毎日選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)
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