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トライアル車やエンデューロモデルで知られているスペインのGAS GASが、KTMグループのブランドに加わる事になった。去る6月23日に開催されたKTM・ハスクバーナ・モーターサイクルズ試乗会場の富士スピードウェイで発表された最新ニュースである。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力● KTM Japan 株式会社
GAS GAS・TRIAL TXT RACING 125 / 250 / 300.......939,000円/ 969,000円/ 999,000 円
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GAS GASは1985年にスペインのカタルーニアで立ち上げられたブランド。トライアルマシンの開発・製造・販売に始まり、後にエンデューロやモトクロスマシン等、ラインナップが拡充された。
マシンの開発や工場設立等、創業時の支援に尽力した日本の株式会社アロー(亜路欧)が当初の輸入販売を手がけた事はトライアル系の業界では良く知られている。
また同ブランドはベータから移籍したジョルディ・タレスのライディングで1987年〜1995年の間に何と7度も世界チャンピオンを獲得。その後もアダム・ラガの2連続を含め15回ものFIMトライアル世界タイトルを獲得していると言う。
同ブランドを世界に知らしめたのは、やはりタレスの活躍によるところが大きい。彼は自転車トライアルの出身で、トライアルのライディングテクニックに革新をもたらしたと言われ、その華麗なライディングスタイルは、トライアルシーンの数々に多大な影響を与えた。その背景にあったのが、超軽量設計で知られたGAS GAS のマシンだったのである。
日本の正規輸入元は2014年から株式会社マーチに引き継がれていたが、2019年にGAS GASがKTMの親会社であるPIERER Mobility AGの一員になったのを機に、今年の7月からは新生「GASGAS MOTORCYCLES JAPAN」が取り扱う事になり、先ずは全国9店舗展開で7月から販売開始される。
当初はコンペティションモデルのトライアルTXT RACING 125/250/300の3機種。
多くのユーザーにとって興味深いのはナンバー付きの公道走行モデルであろう。ベースとなり得るモデルは既にラインナップの中に存在しているだけに、これについても、国内への導入は鋭意検討中だそう。
今後の同ブランドの展開には大いに期待したい。
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