日本マクドナルドは、マックデリバリーサービスに使用する三輪バイクに、aidea(アイデア)製の電動三輪バイクを試験導入。5月から、神奈川県内の3店舗で、計6台が稼働中だ。
神奈川県内3店舗で試験導入中
マクドナルドは、30都道府県約430店舗でデリバリーサービス(税込1500円以上の注文+配達料300円)を実施しており、ガソリンエンジンの三輪原付を使用している。
一方、マクドナルドは、店舗内の照明をLEDに取り替えたり、物流の一部を鉄道輸送に切り替えるなど、環境付加低減への取り組みも実施している。今回のアイデアの導入は、その環境負荷軽減への取り組みの一環。ちなみにデリバリーへ電動三輪バイクの導入は日本初だ。
あらゆるコストの削減が可能な電動三輪による配達
導入されるのは、2019年の東京モーターショーから本格展開が始まった国内の電動バイクメーカー、aidea(アイデア)製の「AA-Cargo」という製品。タイヤは前一輪、後二輪の配置で、原付一種(50cc)免許で運転可能。電気モーターのパワーは6.0kW(6.8ps)と、50ccの中ではパワフルであり、一回の充電(約3時間で完了)で80kmの距離を走行可能だ。後輪が車体傾斜に合わせて同時に傾くことで、段差やカーブ走行時の安定性を高めているのが、この三輪機構の特徴。その他、大型のルーフやLEDヘッドライト、液晶メーターやバックといった配達を快適にする機能や、USBソケットも装備。荷台には、ホンダ・ジャイロ向けに市販されているものが取り付けられ、aideaでも160、215、322Lの3つのカーゴを用意している。肝心な充電は、全国1万5000箇所にある普通四輪用の200V充電器を使用可能。もちろん自宅でも充電OKだ(定格20A 200V ACの屋外コンセントの設置が必要)。
マクドナルドは、本車両の導入により、二酸化炭素等の排出や騒音を抑えられるだけではなく、燃料費の節約(ガソリンよりも電気の方が断然コストが低い)、車両整備費用の抑制が期待できるだろう。
また、電気モーターの特徴として、回転開始直後から最大トルクを発生でき、アクセル操作で、ガソリンエンジンの比にならない細かなトルク制御が可能なので、よりスムーズかつスピーディな配達が可能になるはずだ。
今回のマクドナルドによるAA-Cargoの導入は、都市部における配達システムの大きな転換となるかもしれない。