「緊急事態宣言」に伴う「外出自粛要請」の影響か、東京は首都高速都心環状線に、猛スピードで周回すルーレット族が出現、これに対して首都高速は数カ所のパーキングエリアを封鎖、さらに警察は移動オービスで迎え撃つという対抗策を講じたという報道が、今月初旬、各メディアを賑わせたが、それってホントなんですかね?
今時、首都環状線を集団で高速周回するなんて、無謀の極みです!
ルーレット族と言えば、今を去ること約30年ほど前、休日前の深夜、首都高速、あるいは阪神高速の環状線を猛スピードで周回していた走り屋達のこと。一時は、トレンドワードになっていたほどだが、その後、オービスの設置など、スピード取り締まり強化に伴い、その舞台が湾岸線に移され、さらにブームの終焉に伴い、今では、すっかり、死語となってしまっている。
ところが、この4月末、コロナ禍による「外出自粛」、「自宅勤務」などにより暇を持て余した走り屋達が、再び首都高速の環状線に集結したという報道にちょっとびっくり。なぜなら、今時の都心環状線は、以前のように猛スピードで周回できる状況ではないし、今の若者は「命懸けで走る」という今となっては馬鹿げた気合など持ち合わせていないからだ。
事実、首都高都心環状線の制限速度は、一般道路並みの50km/h。さらに、人気があると言われている外回りの都心部分にはオービスが2機、待ち構え、銀座付近や飯倉トンネルでは、移動オービスによる取り締まりも頻繁に行われている、さらに、昔のような複数台による抜きつ抜かれつのバトルをしたひには、最盛期にはなかった「共同危険行為」(法律そのものは以前からあったが、2002年より被害者がいなくても取り締まり可能という改正がなされた)により免許取り消しになるばかりではなく2年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科せられることになる。一般に「時代は繰り返す」といわれているが、もはや繰り返しようがないというのが現状だ。
もちろん、このゴールデンウィーク中に、首都高に若者が集まったというのは事実だが、情報によると、要は、そのほとんどが、箱崎や芝浦、辰巳などのパーキングエリアにご自慢のクルマを駐め、ミーティングやオフ会を行っただけのこと。それを、「ルーレット族復活!」などと煽り立てるなんて、いつものことながら、各メディア報道のいいかげんさが露呈したに過ぎないのだ。
とはいえ、都心環状線だけではなく、9号深川線などに移動オービスが出没しているというのは事実。これを機に、首都高は名ばかりの高速道路であり、実は一般国道と同等であることを、再認識してほしい。