公道を使った伝統のレース『マン島TT』。「TT Zeroクラス」に出場し、見事6連覇を達成した電動バイク「神電 八(SHINDEN HACHI)」が、東京オートサロンのMOTULブースに登場。最高速度275km/hを叩き出す、モンスターEVバイクである。
PHOTO/REPORT:北 秀昭(KITA Hideaki)
【動画】未来を感じるEV(電動)バイク。驚愕の戦闘力を見よ!(2017年マン島TTレースの模様)
イギリスと北アイルランド間にある“マン島”で年1回開催される、伝統の『マン島TTレース(1907年に初開催)』。動画の「TT Zeroクラス」は、二酸化炭素を一切排出しない“ゼロエミッション”のカテゴリー。1周約60キロのコースを、1周の周回タイムで競い合う。
「TT Zeroクラス」は、クリーンエネルギーの将来を見据え、2009年よりスタート。チーム無限は、2012年から「神電(SHINDEN)」と名付けられた電動バイクで参戦し、2014年から2019年、見事6連覇を達成した。
写真のマシンは、「神電(SHINDEN)」の8型となる、6連覇を成し遂げた「神電 八(SHINDEN HACHI)」。最高出力は120kW(163.2PS)、最高速度は275km/hに達する。ミッションはなく、左グリップ側のクラッチレバーは装着されていない。
「神電 八(SHINDEN HACHI)」の重量は、エンジン車よりもヘビーな248kg。これは約60キロの距離を、ほぼ全開で走り切るための大型バッテリーを搭載しているため。
上記の動画を見てもお分かりの通り、その走りは、エンジン車とは“異質”の速さとスムーズさを持つ、さながら「新幹線のバイク版」というイメージ。エンジン車とは異なり、エキゾーストサウンドのない「神電 八(SHINDEN HACHI)」の走行音は非常に静か。しかも内燃機関による振動が一切なく、ハードな運転でも疲れにくいのがポイントだ。
全長×全幅×全高:2125mm×680mm×1130mm
最低地上高:130mm
シート高:810mm
車両重量:248kg
フレーム:CFRP製モノコック
タイヤ:
(前)120/70ZR 17M/C(58W)
(後)200/55ZR 17M/C(78W)
モーター形式:油冷式三相ブラシレスモーター
最高出力:120kW(163.2PS)
最大トルク:210N・m(21.4kgf・m)
バッテリー仕様:ラミネート形 リチウムイオンバッテリー
バッテリー出力電圧:370V以上