TietoとSTマイクロエレクトロニクスは、STのTelemaco3Pプラットフォームで動作する中央制御ユニット(CCU)のソフトウェア開発において協力することを発表した。
自動車の電動化とコネクティビティへの要求が高まるにつれ、より高度な処理能力とサイバー・セキュリティが求められている。そのため、自動車メーカーは、コネクティビティ、データのプライバシー、セキュリティ、OTA(Over-The-Air)ファームウェア更新に対応するCCUを必要としている。STは、車載用テレマティクス・プロセッサであるTelemacoファミリと、先進的なSmart Drivingアプリケーションの試作開発を可能にするオープンソース開発環境のTelemaco3P Modular Telematics Platform(MTP)を開発した。Telemaco3Pは、セキュアかつ安全な車載用テレマティクス・プロセッサで、最先端のセキュリティを可能にする独立したハードウェア・セキュリティ・モジュールを内蔵した業界初の製品である。自動車の安全性要求レベルであるASIL-Bに準拠したシステムの実装に貢献する。
Tietoのソフトウェア研究開発サービス部門とSTは、Telemaco3Pプラットフォームをベースとした車載用CCUソフトウェア、および次世代のテレマティクス・ソリューションを開発している。Tietoは、システム統合のほか、高スループットの無線通信、OTAファームウェア更新、およびV2V通信に対応した、セキュアなSmart Drivingアプリケーションの設計・開発サービスを幅広く提供している。
Tietoの車載向けビジネス開発部門を統括するViet-Anh Pitaval氏は、次のようにコメントしている。「STと当社の協力により、自動車メーカーや車載機器メーカーは、STの強力でセキュアなTelemaco3Pプラットフォームを最大限に活用できるようになります。当社とSTは、車載用CCUソフトウェアの開発を加速させ、新しい高付加価値の自動車用サービスを数多く実現することを目指しています」
STのオートモーティブ &ディスクリート製品グループ、戦略/車載用プロセッサ事業部ジェネラル・マネージャであるLuca Rodeschini氏は、次のようにコメントしている。「STは、Tietoのようなソフトウェア研究開発のエキスパートとの協力を通じて、走行中の安全性と利便性の向上に役立つ優れたサポートを提供できるようになります。これにより車載機器メーカーは、車載プロセッシングやクラウド接続に向けた、豊富な機能を備えた新しいソリューションやアプリケーションの開発が可能になります」
Telemaco3P MTPは、複数の衛星測位システムに対応した車載用GNSS測位IC「Teseo」と推測航法用のモーション・センサを搭載したハードウェアを提供する。また、CAN-FD、FlexRay、BroadR-Reach(100Base-T1)などの車載用バスや、Bluetooth(R)、Wi-Fi、LTE、V2X通信用の追加モジュールを直接接続することができる。
Tietoのソフトウェア研究開発サービス部門では、5Gやコネクテッド・カー、スマート機器、クラウド・プラットフォームなどの次世代技術を創出する特定の産業分野(通信、車載機器、コンスーマ機器、半導体など)の主要企業向けにソフトウェアを開発している。
TietoとSTは、グローバルな展示会であるCES(ラスベガス、2020年1月7日~10日)のSTスイートにおいて、V2X通信を使った歩行者横断警告アプリケーションのデモを実施する。