タイ王国でマツダのエントリーを担う「マツダ2」には、日本同様の5ドアハッチバックに加え、4ドアセダンが設定されている。日本でのフェイスリフトを受けて、タイ仕様も変更された。日本仕様との違いなどを含めて紹介したい。
REPORT&PHOTO●大音安弘(OHTO Yasuhiro)
2019年11月28日~12月10日で開催されたタイのモーターショー「バンコク国際モーターエキスポ」のマツダブースの主役として、中央に展示されていたのが、フェイスリフトを受けたばかりのマツダ2セダンだ。日本では、2019年7月に、フェイスリフトと共に名称が「デミオ」から「マツダ2」へと変更されたのは、皆さまもご存知の通り。その変更を受けて、数か月遅れで、タイ仕様もフェイスリフトが実施された。タイでは、元々「マツダ2」を名乗っていたので、名称についてはそのままとなる。
マイナーチェンジであるため、変更点は限定的であるが、エクステリアでは、日本仕様同様に、質感を高めるべく、フロント/リアバンパー、フロントグリル、ヘッドランプ、リアコンビランプのデザイン変更し、落ち着きあるマスクとなった。ヘッドランプは、新たにLED式も採用。アルミホイールは、15インチと16インチ共に新デザインとした。
インテリアでは、黒のスエード調、ネイビーブルーのファブリックなど新素材のシートの採用し、静粛性を高めるべく、きめ細やかな対策を施したという。機能面では、MAZDA CONECTのApply CarPlay対応に加え、360度ビューモニターやフロントパーキングセンサーの新設などの改良を加えている。またダイナミクス特性の向上ために、頭部の揺れを抑えた運転席・助手席シートやG-ベクタリングコントロールプラス(GVC Plus)の搭載も行われるなど、日本仕様に採用された新技術なども積極的に取り入れている。
パワートレインについては、日本仕様と少し異なり、1.3L自然吸気エンジンのガソリン車と1.5Lターボのディーゼル車を設定。全車6速オートマチック仕様のみとなる。MTがないのは、ちょっと意外だが、バンコクなどの都市部の渋滞が有名な国だけに、乗用車では、オートマ車が人気のようだ。
ハッチバックとセダンのすみ分けだが、どちらもマツダのエントリーモデルとして活躍しているが、ハッチバックはカジュアル&スポーティ、セダンの方がフォーマルな存在という位置づけとなっている。
気になったのは、マツダ教習車への影響だ。以前は、アクセラベースだった教習車だが、最新モデルは、タイ生産のマツダ2セダンをベースに、日本で架装を行っている。当然、すぐにフェイスリフトが実施されると思いきや、マツダ広報部に確認すると、現時点での仕様変更はないとのこと。もちろん、特殊用途車両なので特に、ユーザーに関係はないともいえるのだが……。各社ともファミリーフェイスの統一が進められる今、教習車だけ、そのままということもないとはずだ。近い将来、新マスクの教習車が御目見えする可能性は、十分あるだろう。