バイクやクルマのキャブレターや、FI(フューエルインジェクション)用の燃料供給システムや電子制御製品などを製造・販売する「ケーヒン」が、4ストローク用レーシングキャブレター「FCR」の目玉である“フラット型ピストンバルブ”や“ダウンドラフト形状”などを盛り込んだ、FI用の電子制御スロットルボディ「 E-FCR(コンセプトモデル/バイク用)」を初公開。モーターによる緻密なフラット型ピストンバルブの開閉など、次世代のチューニング手法が盛り込まれている点に注目だ。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
生粋の4ストローク用レーシングキャブレター「FCR」のノウハウを、FI用の電子制御スロットルボディに投入!
コンピューターで理想的な混合気を供給する「E-FCR」のベースにもなった、「FCRキャブレター」とは?
FCRキャブレターには、フロート(ガソリンを溜める箇所)の配置などが異なる2種類のタイプがある。写真はクリアランスに限りがある、モンキーなどの“横型エンジン”搭載車両などに最適な「ダウンドラフト型」。
ダウンドラフト型は、混合気がポートに対し、万有引力の法則に沿って、ほぼ垂直(真下)に吸入できるため、流速が上がって吸気効率がアップ。また、燃焼室との距離が短縮されることで、スロットルレスポンスが鋭くなる等のメリットが生まれる。
円柱型のピストンバルブよりも軽量な、板状の「フラット型ピストンバルブ」を採用。作動部となる両サイドには、合計4つのベアリング(ローラー)を装備しているのがポイント。これによって、スロットル操作時のフリクション(抵抗)を大幅に低減。
FCRキャブレターが誇る、レーシングキャブレターならではの加速ポンプ機能。写真は加速ポンプが作動して、ガソリンが噴射されている瞬間を撮影した1コマ。スロットルを徐々にではなく、急激に「グイ!」っと開ける(急激に加速するイメージ)と、マニホールド側から勢いよく「ピュ-!」とガソリンが飛び出てくる=瞬時にパワーアップするしくみだ。
加速ポンプのリンクレバーは、スロットルワイヤー接続部に連動。スロットルを開ければ、ピストン部がポンプを押し下げてガソリンを噴射するシステム。なお、加速ポンプは、低中回転域からの加速に威力を発揮するのがポイント。
【E-FCR】は、FCRキャブの良いところ「フラット型ピストンバルブ」「レイアウト」に加え、電子制御による「2モーター駆動方式」を組み合わせ!
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