1999年の排ガス規制により、2ストローク車は日本市場から姿を消すことになった。その後、2ストエンジンの楽しさが再評価され、いまでは価格は超高騰中。しかし、排気量を下げればまだまだコスパの高い2スト車があるのだ。さあ、レイワ元年からコスパ最高のマシンを買って、君も2ストオーナーだ!
PHOTO:渡辺昌彦(WATANAVE Masahiko)
小さくても過激!今2ストに乗るなら50ccミッションだ
1999年の排ガス規制により、原付およびスクーターを除く2ストロークミッション車は日本市場から姿を消した。だが、そこから10数年の時を経て、その過激かつエキサイティングな乗り味と2クラス上のハイパワーは伝説となり、いまやNSR、TZRをはじめとした主要レーサーレプリカは、乗り出し200万に迫ろうかという青天井の価格になっている。「同じ金額を出せば最新SSに乗れる」とはいうが、やはり2ストにはこのエンジン形式しか持たない独特のエキサイティングなパワー感があり、プライスレスは致し方ないところだ。
このように、現在プレミア価格がつき一念発起しないとなかなか所有しにくい2ストマシンだが、実は排気量を落としさえすれば気軽に乗り始められるマシンがあるのだ。250レプリカの200万円に比べれば、その10分の1の20万円台中盤で、90km/h以上の最高速と小さいながら胸のすく加速が味わえる原付ミッション車がソレだ。今回は、車の免許でも乗れるエキサイティングかつコスパ高めの、7.2馬力フルパワー水冷50ccクラスミッション車をセレクトしてみたぞ。
ロードスポーツ系ミッション車はおしなべて高め。だが……
おすすめ原付2ストミッション車001
「スズキ・RG50 Γ」
初出はなんと1982年。「ガンマ」の名前を初めて冠したのは実はコイツだ。18年フルモデルチェンジなく、1999年の排ガス規制までしぶとく生き延びた。フルモデルチェンジがなかったがゆえに不人気だったことが幸い?し、高年式で意外に程度のいいものが手に入る。ノンカウル版の「ウルフ50」もおすすめだが、驚愕のファイアーパターン柄(!)は少々お高め。
真打ち! 遊べる50ccオフロードモデルが最高だ
また、昔は各メーカーから出ていた、50オフロード車、こちらはぜひおすすめしたい物件だ。これらは当時からマニアックなモデルだったこともあってか、改造の度合いも少なめ。またオフロード車ということもあり、多少の転倒でも走行性能に重大な影響の出ないというのも魅力だ。20万円強で、価格に見合った程度のものが見つかるぞ。ただ、できれば購入後フロントサスのオーバーホールはしたい。
おすすめ原付2ストミッション車002
「ホンダ・CRM50」
フロント17、リヤ14インチと少々ホイール径が小さいものの、安定感に不足なし。ロングストロークのサスはこのままオフに持ち込んでも十分に楽しめる。フロントフォークのオーバーホールさえすれば、レースでも十分戦える大変楽しいマシンだ。
おすすめ原付2ストミッション車003
「ヤマハ・DT50」
19/17インチのフルサイズに近い足まわりを持つ本格オフ。これも前出のガンマと同じく、90年代後半まで販売されていたため、そこそこタマが豊富で探せば上物に20万円弱で出会える。ちなみに21/18インチのタイヤサイズを持つスズキのTS50もいいが、いかんせんタマが少ない。
おすすめ原付2ストミッション車004
「カワサキ・KSR−1(50)」
12インチスポーツ市場にカワサキが出した回答がコレ。RG50Γと同じく、高年式で程度のいいものが多いのが魅力。足まわりも意外なほどしっかりしている。79ccVer.もあるが、50のほうが伸びのいい加速感が味わえる。(写真は79ccVer.のKSR-II)
最後におまけを2台。ミッション車ではないものの、そのファンライドはミッション車に匹敵する一台と、93年に発売された空冷!2スト原付ミッション車を紹介しよう。