ダイヤモンド電機は、文庫本サイズの絶縁双方向充電システム(幅:104mm、長さ:146mm、高さ:32mm)を2019年5月に開発した。本技術により、送電網と蓄電池をつなぐ電力変換器の小型・軽量化が可能となり、次世代の電気自動車(EV)やスマートグリッドの普及に貢献する。
近年、環境規制の強化にともなって、風力や太陽光などの再生可能エネルギー(再エネ)が普及拡大している。しかしながら、再エネは発電量の変動が大きいため、更なる導入にはスマートグリッドが必要となる。そこで、同社独自技術を盛り込んだ絶縁双方向充電システムを開発した。本技術により、車載充電器の小型化およびVehicle to Grid(V2G)への展開が可能となる。V2GはEV搭載の蓄電池を活用して送電網を安定化し、スマートグリッドを構成する次世代の技術。
本開発品には、同社がこれまでに開発した「絶縁双方向電力変換器」「電解コンデンサレス技術」に加えて、高周波スイッチング技術を採用した新規開発の「双方向小型AC/DCコンバータ」を組み込んだ。これにより、幅:104 mm、長さ:146 mm、高さ:32 mm(制御部、放熱部除く)という小型サイズを実現し、絶縁双方向でありながら電力密度を2.1 kW/Lまで高めることに成功した。さらに同社ならびにグループ会社である田淵電機が保有する系統連系技術と組み合わせることで、次世代EVやスマートグリッドの普及に貢献する。
■ 主な用途
・双方向車載充電器(V2G、V2H※1、V2L※2向け)
・ハイブリッドパワーコンディショナ
・無停電電源装置(UPS)
※1…Vehicle to Homeの略称。車から家庭への電力供給機能を指す。
※2…Vehicle to Loadの略称。車から電気機器への電力供給機能を指す。
■ 主な製品の仕様
AC電圧範囲:AC100/200/220 Vtyp、50/60Hz
DC電圧範囲:DC200〜400V
最大電力:±1kW(双方向、力率1のとき)
サイズ(W × L × H):104 × 146 × 32mm(制御部、放熱部除く)
電力密度:2.1kW/L