トヨタ紡織は、全日本空輸(ANA)と新たな航空機シートを共同開発し、2015年の採用に続き、2機種のANA国内線普通席に採用されたと発表した。2019年秋より、ボーイング777-200型機8機、ボーイング787-8型機11機(約6000席)に導入される予定だ。
2015年からANA国内線(ボーイング767-300型機6機)に搭載されたシートは、トヨタ紡織が自動車用シート開発で培ってきた座り心地の知見と高品質のモノづくりのノウハウをいかしており、その品質の良さが認められ、新たな採用につながった。今回の新シート開発では、座り心地や使いやすさの面で新たな工夫を追加し、さらなる快適性を追求しているという。
新シートの特長
・座り心地の面では、どのような体格の方にも心地よくフィットする形状を踏襲した上で、背もたれのフレーム形状を最適化し、快適性を向上
・使いやすさの面では、テーブルやアームレストの高さや形状の細部に配慮。新たにタッチパネル式パーソナルモニター装着など機能を充実するとともに、スリムなシート形状で開放感を創出
1)座り心地の追求
・身体の根幹である腰(骨盤)をしっかり支持することで、腰周りの筋肉の疲労を抑え、リラックスできる姿勢を保持【図1】
・どのような体格の方にも心地よくフィットするシートを追求し、身体にかかる圧力をバランスよく分散
新たな工夫点
・さらなるフィット感向上のため、背もたれのフレーム形状を最適化し、より広い体格差を吸収する工夫を追加【図2】
2)使いやすさの追求
・ テーブルやアームレストなど、小柄な人から大柄な人まで、誰もが心地よいと感じる位置やカタチに設定【図3】
新たな工夫点【図4】
・タッチパネル式パーソナルモニターは、どのような体格の方にも見やすく使いやすい角度に設定
・テーブルのカップホルダーを、紙コップが取り出しやすいカタチに改善(特許出願中)
・シート前ポケットに、携帯電話など小物が収納できるネットポケットを追加