ECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう:JD.com)」を運営する京東集団(ジンドンしゅうだん)は、2019年4月16日に上海で開催された、上海国際自動車ショーにてレベル4クラスの自動運転配送車を初披露した。
京東物流自動運転配送車は、京東物流X事業部が自動運転におけるソリューションと運用シーンを提供する自動運転配送車。無人で倉庫から配送ターミナルへ、配送ターミナルから配達員までの運送を行う。本自動運転配送車の開発・製造にあたり、中国のEV自動車メーカー奇瑞新能源(Chery New Energy)社が車体のシャーシ部分を提供し、イタリアのイコナ(ICONA)社が設計と製造を行った。
車体には、 高精度の測位を実現するRTK(Realtime kinematic)技術を利用した5つのレーザーレーダーが搭載されており、車線レベルの高精度測位が可能。また、ディープラーニングのアルゴリズムに基づき、車両や歩行者、障害物、車道ライン、信号機、交通標識などの情報を正確に識別することができる。また、モデル予測制御(MPC)技術の採用と意思決定アルゴリズムを結合させることにより、車線の保持や追い越し、前車への追従、縦列駐車、車庫入れなどを実現している。
京東物流では自動運転技術の発展に力を入れ、技術研究・開発を行い、積極的に自社の業務シーンに取り入れている。現在では「ラストワンマイル」の革新的な試みとして、隔離エリアや公道などの大量のデータを蓄積している。「ラストワンマイル」を担う京東物流の末端配達ロボットは、現時点で北京、西安、雄安など全国約20都市で稼働しており、長沙市やフフホト市には世界初となるロボットによるスマート・配送ステーションを建設した。
【自動運転配送車概要】
全長:3.5m
サイズ:Aクラス
容量:4,000L
サスペンション:ストラット式
最高時速:80km/h
最大航続距離:410km
最遠軸距:2,150mm