アストンマーティン・チーフ・エンジニアのマット・ベッカーが、ウェールズのラリーコースでプロトタイプのテスト走行を実施した。
写真と映像を見る限り、DBXの開発は順調であることが伺える。ちなみに最初のテストがウェールズで行われたのは、このモデルが、ウェールズのヴェール・オブ・グラモーガンに建設中のセント・アサン新工場で生産されるためだという。
DBXはアストンマーティンにとって初めてのSUVモデルである。そのため開発にあたって専用のテストプログラムを実施しているという。SUVならではの新しいプロセス、手順、そして基準が含まれており、あらゆる路面に対応可能な高い走破性と、力強い牽引力を備えるように開発が進められている。
今後も様々なテストプラグラムが予定されており、今後、このDBXプロトタイプは、雪と氷に覆われた北極圏、中東の灼熱の砂漠、アルプス山脈のワインディングロード、ドイツのアウトバーンやニュルブルクリンクのノルドシュライフェ北コースなど、世界中の過酷な環境でテストが実施するという。
DBXプロトタイプのハンドルを握ったアストンマーティン・チーフエンジニアのマット・ベッカーによると「DBXの開発では、ドライビング・シミュレーターを使用して、さまざまな調整を実施作業しました。これによって、最初のプロトタイプを製作する前に、開発を飛躍的に前進させることが可能になりました。それでも、初期のプロトタイプで実際の道を走れるようにするには大変な労力を必要としますが、このプロトタイプは、ほぼ完璧に近いシミュレーション通りのパフォーマンスを示しています。エンジニアとして、自分たちが開発しているクルマを実際に運転できることは、非常にエキサイティングな体験です。DBXは、従来のアストンマーティンの各モデルとはまったく異なるタイプのクルマですが、あらゆる条件や地形でテストを繰り返して、アストンマーティン・ブランドにふさわしいドライブ体験をお客様にご提供できると確信しています」と順調な開発をアピールしている。
DBXは2019年の第4四半期に発表され、セント・アサン工場で生産される予定だ。ここはアストンマーティンラインナップの中でラグジュアリー・モデルを生産する最先端の工場で、同社初の電気自動車も生産される予定だ。
アストンマーティン・ラゴンダ社長兼最高経営責任者(CEO)のアンディ・パーマーのコメント。
「DBXプロトタイプのテスト走行が開始されたことは、アストンマーティン初のSUVモデルの歴史にとって、記念すべき第一章の始まりを告げるもので、プログラムが現実のものとなった瞬間でもあります。DBXは、ただ単にアストンマーティン初のSUVモデルというだけでなく、セント・アサン工場で生産される最初のモデルでもあります。このモデルとともに、アストンマーティンの長い歴史における、輝かしい新時代が始まることになるでしょう」